ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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道道93号知床公園線

★★

 

道道93号知床公園線の取扱説明書

知床大橋で折り返しとなる行き止まりの未舗装道道でオンロードバイクから大型観光バスまで何でも通るフラットダートであるが交通量が激しいので走行には充分な注意が必要である。7月上旬からお盆までの間はマイカー規制となり一般車両進入禁止となる。カムイワッカ湯の滝はあなたの常識を覆すに充分なインパクトを持っている。

 

道道93号知床公園線1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

高校2年の夏、僕は遥か彼方東京で一人孤独に時刻表と睨めっこしながら、ある目的地を目指そうとしていた。

あそこは、川そのものが温泉で、いくつもの滝が連なっていて、滝壺そのものが天然の浴槽なんだ

ある人物からこの衝撃の事実を聞かされ、その夏僕の頭の中はその事でいっぱいだった。

道道93号知床公園線2/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

まだ情報が簡単に得られる時代でなかっただけに、そんなマニアックな情報など、一般の旅行雑誌などからは全くと言っていい程手に入り辛かった時代である。

僕はその天然の湯の滝へ行きたいが為に、その夏休みのバイト代の全額をそこへ注ぎ込んだ。

道道93号知床公園線3/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

と言っても当時は青春18切符しか使わないような貧乏旅行で、普通電車で我慢して、浮いた分で各地の駅弁などを手当たり次第食べまくっていたのだから、今思えば殴ってやりたい程リッチだったと思う。

まさか将来コンビニの駐車場で、泣きながら豚串を食べているなんて想像もできなんだ。

しかし流石に北の果ては遠かった。

道道93号知床公園線4/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

青森までも遠いのに、青函連絡船を乗り継いで接続の悪い、しかも本数の少ない、しかも普通列車より特急の本数の方が圧倒的に多いという北海道システムに挫折しそうになっていた。

当時青函トンネルは3人の工夫が交代で手掘りによる人力だけで掘り進んでいたため、遅々として進まず、全く開通の見通しは立っていなかったのだ。

道道93号知床公園線5/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

肝心の青函連絡船も津軽海峡の荒波に呑まれ、2回に1回の割合で沈没し、対岸に無事辿り着けたらラッキーという状態で、別名生還連絡船とも呼ばれていた。

青春18切符での挑戦を断念し、僕等は急行津軽に乗って一路北を目指した。

青函連絡船も一発でクリアし、道内で特急を乗り継いで網走、そして鈍行で斜里へと辿り着いた。

道道93号知床公園線6/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

そこからはバスに乗り宇登呂で知床大橋行きのバスに乗り継いだが乗客は僕等だけだった。

今みたいにバス停などなく、乗務員さんが

カムイワッカの滝で降りる方いますか?

と聞いてきたので、僕等は慌てて下車した。下車した箇所に架かる橋の下を、水量豊富な川が流れているが、これが本当に温かいのだろうか?

道道93号知床公園線7/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

それまでの常識では、温かい川なんてあるはずがない。ところが間違いなくこのカムイワッカの川は温かかった。

なんじゃこりゃ〜!

知床大橋でUターンしてきたバスが眼下に小さく見える。僕等は夢中ではしゃぎ、上流を目指した。先程乗ってきたバスが1日2本しかない折り返しの最終バスとも知らずに。

カムイワッカ湯の滝へ進む

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