ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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高知県道378号仁淀東津野線

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高知県道378号仁淀東津野線の取扱説明書

また人知れず静かにこの世から消されようとしている未舗装県道がある。県道378仁淀東津野線、以前よりも確実に舗装化が進行しており近い将来完全に砂利道は消滅するであろう事は現場の状況から明らかで、ここに集う皆で1分間の黙祷を捧げたい。黙祷!

 

高知県道378号仁淀東津野線

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四万十川源流点へのアクセス路として、また布施ヶ坂と矢筈峠を結ぶ連絡道として機能している高知県道378号仁淀東津野線も、四国では珍しく舗装化を免れていた県道であったが、近年の名水ブームが手伝っての事だろうか、以前訪れた時よりも確実に舗装化の波が押し寄せていた。

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布施ヶ坂方面から進入し1.5車線の舗装路を進むと、大型車の転回も可能な広場と杉木立と低い石垣に囲まれた住居跡のあるT字路までが舗装路で、それより左に進路を取る県道は、そこから未舗装路であった。今でこそ更地となって建物は消失しているがかつてはこの地に人が住んでいたのだろう。それでT字路までは早々と舗装されたに違いない。

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それ以上先は、矢筈峠に抜けるまで人家が皆無である事から、当然未舗装路のままだと勝手に思い込んでいたのだが、T字路を左折した途端に真新しいアスファルトを見て愕然としてしまった。こんな僻地にも舗装の魔の手が延びているとは夢にも思わなんだ。四国の道は改良が進んできたとは言え、まだまだ酷道がその大半を占め覇権を握ったままだ。

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次々とバイパスが造られ一昔に比べ楽にはなってきているが、それは極限られた主要道であり全体像を眺めれば1.5車線以下の山道に舗装を敷いただけの道がほとんどだ。特に生活道路において舗装化は急務であったと思われる。交通量がほとんどない場所に膨大な財を投じて1本トンネルを突いたところで事は解決するほど簡単な土地ではない。

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幾十にも山が連なりある程度の規模の町間をストレートに結ぶだけでも巨大プロジェクトとなりほとんどの箇所は対費用効果がほとんど見込めない事は分かりきっているので、結局舗装化してそれで凌いでもらおうという策に落ち着く訳だが、生活道路ではない県道378仁淀東津野線の舗装化は疑問を感じざるを得ない。

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というのも四万十川源流点までは近年の名水ブームで猫も杓子も入って来るので安全面からという大義名分に百歩譲ったとしても四万十川源流林道との分岐よりも先まで舗装化されていて、その先も砂利道ではあるけれど舗装化を待つばかりの状態となっていて峠の県道終了地点まで舗装化されるのはほぼ間違いない。どうみてもドサクサに紛れた便乗舗装にしか見えない。

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もう四国にはほとんど未舗装県道が存在していない中で生きる化石状態として今日まで山奥で健在であったが行政の標的にされ、余命もあと僅か未舗装県道の灯が消えようとしている。今の僕に出来る事といったら県道378仁淀東津野線の本来あるべき姿を画像に納めその記録を後世に語り継ぎ、報告書として供養するくらいか。峠からの下りは若干のダートが残るも村道中村線となり管轄が異なる為、早くから舗装化されていたが、間もなく全線舗装路となるだろう。

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