ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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(長野県道33号白馬美麻線)

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峠(長野県道33号白馬美麻線)の前説

1998年2月に開幕する冬季五輪を見据え、急ピッチで改良工事を進められた路線がある。長野会場と白馬会場の二会場を結ぶ動脈として選手団の一行をスムーズにピストン輸送する為、断崖絶壁の狭路を紆余屈曲する国道406号線に代わり白羽の矢が立ったのが長野県道33号白馬美麻線である。この路線とて一部に難所を含んではいたが、1995年延長が1kmに及ぶ美麻トンネルの開通、更に全線二車線化が完了した事で当路線は見事に大役を果たした。列島のみならず世界が感動した原田氏の「ふなきぃ〜」発言から丁度9年、世界中が熱狂する裏で人知れず役目を終えた旧道の今を訪ねた。

 

峠(長野県道33号白馬美麻線)

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長野県道33号白馬美麻線は、文字通り白馬と美麻を結ぶ短い県道であるが、長野五輪に伴い長野県道31号長野大町線と連携し、長野市内と白馬を短時間で結んだ事で、オリンピック道路とも呼ばれる快走路である。

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当路線の最難所を美麻トンネルによって克服し、冬期もストレス無く円滑な通行を実現している。その影でひっそりと役目を終えた旧道沿いには、忘れ形見のヘキサが今も佇んでいた。

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トンネル脇から枝分かれした旧道は、勾配が緩くセンターラインの無い狭い二車線路にて、あっけなくサミットを迎える。そこには「峠」とだけ記された白看が立ち、バス停以外に目立った物は無い。

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峠より更に上へと延びる細道に何やら生活臭を感じる。視界には入らないが、その先に人家があるのだろう。そこの住人が今でも利用するのか、バスは旧道経由となっていて、当路線は今だ現役。

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全国にいくつかあるとは聞いていたが、ついに出た。その名もズバリ「峠」である。地図を開けば確かに峠の一文字しか表示されていない。つまりここは名無しの峠ではなく、峠という名の峠なのだ。

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緩やかな白馬側とは一変し、山上から獲物を見定め一目散に這い下りる大蛇の如し県道は大きなスラロームを描きながら急勾配にて駆け下りる。これがネックとなりトンネルが突かれたのだろう。

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ほとんど二車線を維持したまま、旧道は現道へと重なる。峠、かつてこれほどシンプルな峠を僕は知らない。何の変哲も無い切り通しではあったが、冠の付かぬ峠は、僕の辞書に新たな1ページを加えた。

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