ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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仁倉峠(道道655号仁倉端野線)

★★★

 

仁倉峠(道道655号仁倉端野線)の前説

以前より通行止の措置が取られ、再三に渡る来訪にも関わらず、その正体を掴めぬまま今日に至った仁倉峠。久々に開かれた門の先では、昔とは似ても似つかぬ高規格道路がかつての砂利道を上書きし、そのほとんどを呑み込んでしまうという悪夢が待っていた。もうそこにかつての仁倉峠は無い。諦めて帰りかけた僕は現道のサミットより一本の支線が延びている事に気付く。何も期待などせず潰すつもりで進入したその先には、なんとかつての仁倉峠がそっくりそのまま残っていたのだ。

 

仁倉峠(道道655号仁倉端野線)

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それは現道から気付くはずもない場所に眠っていた。オープンカットされた法面の遥か頭上に設けられた側溝。それこそが現道とは全く別の場所に眠る旧仁倉峠への起点であり終点でもあった。

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かつての砂利道は深い掘割によって寸断され、現在はサミット以外より取り付くのは不可能な状態にある行き止まりの峠であった。強引な通り抜けを断念したヘナリワンが峠道のトレースを開始する。

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仁倉側より見る路上は散々たる様相であった。どこの山林かという状況で、路線切り替えから数年放置しただけでこの有様だから、明治期の馬車道など痕跡が残っていれば奇跡というのも頷ける。

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最初のカーブで早くも警戒標識が出現し、ここが旧道である事は素人目にも分かる。現道は緩やかなカーブを描きサミットに達するが、旧道はサミットまでまだ2、3もカーブを描かねばならない。

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峠に対して一旦明後日の方向へ進む旧道は、ヘアピンカーブを経て仁倉峠へと達する。そこは深い森の中に僅かな人工物が沿道に並び、待避所が備わるだけの景色とは無縁の物静かな峠であった峠を境に状況は一変する。

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視界は急激に開け、緑の絨毯も鳴りを潜め、ややおぼろげながらもダブルトラックが見て取れ、峠まではいまだに車両が進入しているかのようにさえ感じられる。

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どこかに抜けている訳でもなく、単なる旧道の残骸に過ぎない旧仁倉峠。現在もいい味を出してはいるが、廃道として脂が乗ってくるのはあと数年先だろう。またその頃訪ねてみたい峠であった。

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