ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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風伝峠

★★

 

風伝峠の前説

19902月風伝トンネルの完成によりしばらくは新旧路共に国道指定されていたが、今では完全に県道に降格している風伝峠。熊野古道と交差していて峠の茶屋は今でも健在で熊野古道が世界遺産に指定された今この峠が再び脚光を浴び息を吹き返すのは間違いない。

 

風伝峠

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手持ちの地図によるといまだに国道指定されたままである風伝峠、な〜んて事はなく若かりし日の僕が愛用していた地図によるとトンネルがまだ開通したばかりで前後の取り付けが未完成につき新道旧道共に国道指定されている状態であった。即ち路線切り替えの真っ只中であった事が分かる。

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その当時を振り返ると今では接続されている国道が分断していたり今国道として機能している道が県道であったり、またバイパス化により旧道が咲き乱れ次々と新道と新生道路遺構が誕生する、まさに道路戦国時代であった。あの頃に比べれば今は随分と落ち着いたようだ。

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旧道は確か木漏れ日が眩しい杉木立の幻想的な雰囲気であったと記憶しているが、旧道化して日が経ったせいか放置されているのか間伐がされておらず光を透過し難くはなっているものの昔の面影は今でも健在であった。中でも峠の茶屋が現役で稼動していたのは正直驚いた。徒歩道である熊野古道と旧国道とが交わるのがこの茶屋で、とっくに廃業していると思っていたが、熊野古道が世界遺産に登録されどうやら時を隔てて時代の流れに乗ったようだ。

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今後の観光客の大幅な増員は間違いなく旧道化した峠の茶屋やドライブインが次々と廃業に追い込まれる中で風伝峠の茶屋の将来は約束された。出来るだけ長く続けて頂ければと願う。茶屋を過ぎ直線になるといよいよ風伝峠の登場だ。程よい角度で切り通された風伝峠は景色こそ全く望めないが独特の雰囲気があり峠としてのランクは高い。

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峠そのものには駐車スペースは確保されていないが茶屋から徒歩でもすぐの場所にある為、茶屋の駐車場を利用するのがベストだろう。幅員は普通車同士の離合には対応しているが大型車の通過時はかなり苦労したに違いない。風伝峠には立派な案内板が設置され観光に訪れたドライバーに対しちょっと兄さん!5千円ポッキリと歓迎の意を表している。またお帰り組には。もう帰っちゃうの?ウソだろ!また来てね!

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と書かれていて何とも微笑ましい。観光地では良く見掛ける光景も旧道となると人々の目に触れる機会も激減するのでなんだか見ていて寂しくなってくるが、無理に取り壊されなくて良かったと思う。長らく風伝峠で活躍したシンボル的存在として自然の風化に任せて朽ちていくであろうその過程を今はそっと見守るしかない。

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現道との分岐から1.5車線でカーブが多く見通しの悪い区間が風伝峠を越えても続いているが、下り途中にある今かつての国道と県道の交差点を過ぎると極一部ではあるがセンターラインのある2車線区間が登場する。右側はかなり傾斜のある深い谷となっているが本来は植林杉で覆われていて伐採直後だったのだろう遠くの山々まで見渡せた。申し訳なさそうに現道に合流し終了となる。

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