ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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加杖坂峠

★★

 

加杖坂峠の前説

一般的に加杖坂峠としてまかり通っている全線舗装の栃谷加杖坂林道に待望の加杖坂トンネルが開通したのが19809月の事である。加杖坂峠が旧道化してから随分と時が流れているが、僕が前回通過してから数年が経過している為峠の安否がその後全く確認できていない。果たして通り抜けは可能なのだろうか?

 

加杖坂峠

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高見峠を越えて(抜けて)から実香肌湖方面へ抜ける際に利用する林道で国道をそのまま進むよりも峠をひとつ越せるという点でも、また単調な道に変化をつけるという点でもこの林道を利用する人は結構多いと思われる。最も全線に渡り舗装済みであり、砂利道派にとっては用無しなのだが、この道に旧道があるとなれば話は別だろう。

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加杖坂峠を越えるこの林道の正式名称を栃谷加杖坂林道という。加杖坂峠という峠名だけが先行し肝心の林道名称が語られる事は少ない。全線舗装の林道に興味無しという事の表れなのだろうか。現在は加杖坂トンネルによって峠越えはだいぶ楽になっているが、それでも所詮は林道である。それなりに苦労はする。

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峠のトンネル手前から旧道が延びているがコンクリで簡易舗装されている完全1車線の極細道が続く。僕の遠い記憶では確かダートだったはずだが勘違いか?すぐに砂利道が姿を現すという僕の読みはことごとくハズレ進めど登れど砂利道は姿を現さない。もすかして旧道も舗装化されてしまったのか!と、諦めかけた頃やっと予定通り砂利道が姿を現した。

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僕の記憶が曖昧なのか簡易舗装が延長されたのか、ともかく無事に砂利道の加杖坂峠は健在であった。道中は全く離合箇所がなく対向車には苦労した事だろう。現トンネルは普通車同士の離合が可能だろうから加杖坂峠は随分劇的に進化した訳だ。峠には若干駐車が可能なスペースが用意されているが2,3台がせいぜいで、峠で一服なんていう余裕は全くなく待避所としてしか機能していなかったと思われる。

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栃谷加杖坂林道は稜線までかなり接近して鞍部をスパッとカットしたような造りで峠越えを果たしている。植林された杉が峠全体を覆い展望は期待できないが、間伐が施されていて木々の隙間から遠くを見透かす事は出来るが過剰な期待は禁物だ。峠からの下りはいい感じの荒れ方で作業用林道を彷彿とさせる。路面はちょい荒れ気味で荷物満載車には堪える。

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ガタボロ区間を過ぎると大きくUの字が描かれた分岐に出る。それが新設の横平林道である。分岐は大きく切り開かれここだけは開けている。本来の本線は旧道なのだが横平林道が本線のような線形に変えられ旧道がいかにも支線のような状態になってしまっている。横平林道は幅員も広く路面状態もフラットで現代版の林道であり、旧型の栃谷加杖坂林道がみすぼらしく見えてしまう。

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だがかつてはこの砂利道の峠越えしかなかった時代があった。そして加杖坂峠は林業関係者専用林道ではなく、地域に密着した生活道路であったようだ。トンネルが完成し全線舗装化した今も交通量はそこそこあるが、砂利道の峠越え時代から地域住民の生命線として活躍してきたらしい。そんな加杖坂峠は今も健在だ。

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