ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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与謝峠

★★★

 

与謝峠の前説

198012月与謝トンネルの完成により完全に生まれ変わった国道もかつては極狭の離合不能区間が延々と続く厳しい峠越えであった。峠からの展望は期待外れに終わるも極狭道のインパクトは充分で規制もなく道路遺構も残っている事から満足度の高い峠越えと言える。

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

これまで京都を通過する旧国道の峠をいくつか越えてきたが、例外なくそのどれもが11.5車線の狭い幅員で難所だった区間が、対向車を全く意識する事のない2車線の快適な道に生まれ変わり、交通状況が一変しているのを目の当たりにしてきた。現道との分岐からここ与謝峠もそんな道ではないのかと思える狭い幅員で旧道は山奥へと続いていた。雑木林と人工的に植樹された杉林に挟まれ旧道は細々と途切れる事なく続く。

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丈のある杉林は間伐されておらず、辺りは昼尚鬱蒼としていて、旧道と同時に配されている電柱の存在が今でも関係者の往来を感じさせる唯一の人工物にして安心感をもたらしてくれる。対向車を交わす待避所が全く設けられていない事から当時の交通量がどれほど少なかったかが推察できる訳だが、正直現在の交通量をもってしたらこの旧道はすぐにパンクするのは目に見えている。

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はっきり言って遊歩道と言っても差し支えない程の極細道で、もし与謝トンネルが一時的に通行不能となった場合、与謝峠では捌ききれない。現場の状況を知る者ならそれに異論はないだろう。単車と普通車の離合も厳しい与謝峠旧道。緩やかな勾配の直線路を上り詰めると町境を示す白看が姿を現す。

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ここが与謝峠である。せめて峠くらいは駐車スペースなり、離合可能な幅員くらいは確保されているという淡い期待は無残にも砕かれ、残念ながら与謝峠は離合不能な完全1車線の峠であった。また峠からの眺めは全く望めず、ただひたすら越えるだけの道、それが与謝峠の実態である。

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これが旧国道とはにわかに信じ難い光景であるが、思えば京都に点在する峠はどれも似たり寄ったりであった。ヘアピンカーブが旧国道で手前が後年新設されたであろう舗装林道である。旧国道の幅員は林道のそれに完全に負けている。林道側から抜けてきた者は不安さえ感じるであろう。この道大丈夫かなぁ?大丈夫だよ、だってかつての国道だみょ〜ん!

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峠からの下りは幾らか心地よいスパイラルカーブを経ていよいよ現道へと近づく。勿論旧道は市街地へ抜けるまでまだまだ極狭道が続くのだが例によって峠区間だけの調査であるから正確にトレースなどせずとっとと現道へ脱出する事にする。勿論このエスケープルートもトンネルが完成するまでの迂回路として後年取り付けられたものだろう。

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奥に与謝トンネルが見える付近で現道へと合流となる。余りにも立派過ぎる現道に対して比較するには酷過ぎる旧道の与謝峠であるが、狭い道を好んで走る連中には大いに喜んで頂ける物件である。勿論僕もその一人だ。いつ対向車が現れるかのハラハラドキドキ感が堪らない。但し車で進入して偶然にも対向車とはちあわせてしまったら泣きが入ると思います。

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