ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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相坂峠

★★★★

 

相坂峠の前説

相坂トンネルに旧道の峠越えが存在するという。廃されて一体どれ位経つものなのか想像を絶する相坂峠だが果たして現在でも通り抜けできるのだろうか?

 

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相坂トンネルに旧道がある。その事実を示す記述が案内板にあった。新トンネルがあれば旧トンネルがある。それと同じでトンネルがあれば峠道がある。ならば相坂トンネルにも旧道があるだろうと考えるのは至極自然な流れである。但し山道という表現が使われており、これだけではかつて自動車が通行できたのかどうかは分らない。

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ならば確かめねばなるまい。かつて自動車が通行できたのかどうかを。相坂トンネルが後方に見えるこの位置に旧道らしい入口がある。らしいではなく間違いなく旧道である。こんな事を十数年もやってきて間違いようがない。幅員は1車線以下ではあるが軽自動車クラスが何とか通れる幅を有している。早速突撃を開始する。

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予想通りの展開だ。現道との分岐から藪の壁になっており数十年誰も入ってきていない状態である。但し徒歩でなら全く支障はない状態であり、この状況を見る限りかつて牛や馬や人だけでなく車両も進入していたと思われる幅員が確保されており単なる登山道ではなさそうだ。ただの登山道だったらもっと路面の凹凸が激しくてもおかしくはない。

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時折転がっている倒木にヒットし前輪が跳ね上がるがあとは至って滑らかな路面が続き除草さえすればまともな道に見えるに違いない。昔はここを幾多の人々が越えて行ったのだろうか。現在の猛烈な藪に閉ざされたこの道からは想像も出来ないがもし自動車が越えていたとしても離合は不可能であり歩行者との離合も困難を極めた事だろう。

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切り通しの相坂峠からは街並みが遠望でき昔の人々もここから見下ろす街並みにあと少しと安心感を覚えたのではないだろうか。相坂峠までは比較的楽に進めたが下りに転じると藪だけではなく自生して数十年は経ったのではないかと思える程太い木々に行く手を遮られ荷物がもぎ取られる寸前の酷い状態である。

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ハンドルもしっかり押さえておかないと何処へ向かせられるか分らないロデオ状態で路面も悪化し勾配もきつくなるが何とか無事に現道のアスファルトに合流する。案内板に書かれていた通り険しい山道という言葉に嘘偽りはなかった。確かに厳しい行程ではある。

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だが旧道部分の距離は短く、除草されていれば、今でも十分通行可能である。ただ勾配のきつさから言って、四輪が通っていた可能性は極めて低いと言わざるを得ない。が、この県道の現状も普通の規格じゃないので、車道ではないと完全に否定する事も出来ないのがもどかしい。

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