ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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螳螂峠

★★

 

螳螂峠の前説

県下では最高峰の護摩壇山を源流点とし、山間部を激しく蛇行した後、御坊市を経て太平洋に注ぐ長さ120kmにも及ぶ二級河川日高川。その河口付近より20kmほど遡上した日高川町高津尾に螳螂峠は位置する。日高川と並走する県道26号御坊美山線は、風船のように無駄に膨らむ日高川を株井トンネルにて避けているが、螳螂峠はその更に内側をショートカットする形で、県道196号たかの金屋線と県道25号御坊中津線を繋ぐ峰越えの町道である。2001年6月全長1180mに及ぶかまきりトンネルの開通により螳螂峠は旧道となり、耳障りな不協和音から開放された今は人知れず余生を静かに送っている。

 

螳螂峠[ORRの道路調査報告書]

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

螳螂峠、ツーリングマップルに小さく印字されたその文字が無ければ、恐らく単なる名無しの鞍跨ぎとして放置していたであろう物件も、トンネル横のV字を見せ付けられては、弥が上にも期待が高まる。

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現本線のトンネル脇から枝分かれした旧道は、簡易舗装された路面で尾根に向かいほぼ直登という強引な線形で取り付こうとする。その勾配は当然厳しく、日常的な利用者にとっては過酷である。

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谷間の斜面に道を付けた旧道の右手には本来谷底が見えるはずだが、現在はトンネル掘削により吐き出された残土の土場として穴埋めされ、現役時代とは180度異なる風景を展開している。

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キャンプ場が設けられるほどの規模を持つ土場を過ぎれば稜線はもうすぐそこに迫っていた。切り通しの手前には、明後日の方向へ進む鞍を跨がぬ枝道が一本、峰越自動車道開通以前の山道か?

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上方に向かいやや広がりを持つ垂直の岩壁に挟まれた螳螂峠の切り通し。その幅員は割りと広く、無理すれば普通車同士が離合できなくもない。景色は全く望めず、付帯設備は皆無の質素な峠。

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螳螂峠に残る唯一の人工物お地蔵様を背に下りへと転じる。急坂を直登する高津尾側に対し、下田原側は九十九俺で急勾配を回避する安心設計となっている。こちら側はほとんど現役当時のまま残る。

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トンネル前で現道とぶつかり下田原橋を渡れば県道25号線にて日高川のショートカットは完了する。背後のV字曲線に見る螳螂峠から日高川に一気に落ち込む地形に九十九俺での処理も納得である。

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