ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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首切峠

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首切峠の取扱説明書

197210月竣工の美甘トンネルが見えるが首切峠は旧道化して実に30年以上が経過している事になる。誰が命名したのか知らないがその意味深な名称に勝るとも劣らず僕の目の前に現れたのは特異な姿をした峠であった。それは首切峠がかつて国道であった事を疑ってしまう程のものなのであるのだが、首切峠が旧国道である事は紛れもない事実なのである。平成になって読み方がくびきり峠からリストラ峠へと改名されたのはあまり知られていない。峠には沢山のネクタイが祭られているという噂があるが今回確認には至らなかった。

 

首切峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

この峠は当初取材予定リストには含まれてはいなかった。美甘トンネルに差し掛かった瞬間このような探索をしている方なら明らかに分かるであろう旧道と思わしきか細い道が視界に入ってきた。トンネルあれば旧道ありの鉄則に従えば基本的に旧道が存在するのは当たり前で別段驚くには値しない。また、このような箇所は全国に星の数程存在し

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その全てを調査していてはきりが無い。なのでORRの場合は基本的に峠のみに的を絞って調査を行っている。美甘トンネル脇から延びる旧道らしき道筋を気にしながらも僕はトンネルを抜け、チラッと旧道の行方を確認した。すると現国道よりは比較的高い位置から下るような構造で再び現道へ合流した。低いながらも峠のような感じがする。

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ズバリ峠であった。それも物凄い極細で深い切り通しの。美甘トンネルを再び潜り最初に見た旧道らしき引き込みへと進入した。普通車同士の離合など絶対に不可能な完全1車線の極細道は間違いなく緩やかな上りで峠らしき場所目掛けて一直線に続いていた。峠までの距離は余りにも短くあっという間に僕は峠と思わしき箇所に達した。

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そこで見た峠は凄まじかった。深い深い切り通しの峠は高さ20m以上もあるほぼ垂直に切り通された荒々しい手掘りの側壁で素人目にも隧道を突くべき山塊であり、何故それ程までに深く掘り下げる必要があったのか理解に苦しむ程だ。トンネルを掘るより峠越えさせた方が楽なのではと思える峠はたまに見掛けるが、ここはその逆パターンで

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この道に馬車や荷車を通す事を想定して開通させただろうから、その場合両側からの取り付け位置も現在の高さとほぼ変わらないはずである。何故ならこの峠道はほぼ直 登で峠へ至っている為今以上の勾配ではカーブを設けてやるしか方法がないからであり、そのような痕跡はなく道は直登で山塊へ突き進みそこには20m以上もある深く切り通された

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峠になっているのだから不自然さ極まりない。首切峠という意味深な名称とも何か関係があるのかも知れない。僕はこの峠の特殊な形状にある仮説を抱かずにはいられなかった。それはこの峠によく似た峠をすぐに思い出したからだ。高知県にある当別峠旧旧道、そこは昔小さな隧道が突かれていたという。しかし後年崩壊し今では完全な

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切り通しの峠となっていて崩れた瓦礫の山だけが、かつてそこに隧道が存在した事を唯一証明する物的証拠で現在は深く狭い切り通しとなっているのだが、その形状と瓜二つと言ってもいい程よく似ている首切峠。あくまで推測の域を出ないがそれはそれでいいのではないだろうか。今回も謎を残したまま僕は出雲街道首切峠を後にした。

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