ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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大峠

★★

 

大峠の前説

大峠トンネルの開通が19906月だから大峠が旧道と化して結構な年月が流れている訳だ。現道でさえ交通量の少ないこの県道にして旧道は果たして現在でも通り抜け可能なのだろうか?

 

大峠[ORRの道路調査報告書]

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その日僕は益田競馬場という当時日本で一番小さな競馬場に居た。経営難に喘ぐ自治体はどこも同じでこの日を持って益田競馬の長い歴史に幕を降ろすという。高知が生んだスターホースに“ハルウララ”がいるが、益田にも“ウズシオタロー”というスターホースがいた。ハルウララの名は全国に広まったが、ウズシオタローの名は地元民と一部のマニアにしか知られていない。

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まあこの2頭を比較するのは少々酷だ、ハルウララがだよ。それはウズシオタローが残した伝説があまりにも偉大過ぎるからだ。彼が残した、否正確には彼女である。ウズシオタロー伝説その1:ウズシオタローは牝馬である。因みに僕は当時この時点で食いついた。伝説その2:生涯レース出走回数250である。ハルウララが100戦前後で話題となったが、次元が違うよおっかさん。

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競馬をやらない人でも耳にする程の名馬の生涯出走回数は、ウズシオタローの凡そ1/10程度に過ぎない。酷使される一般の競走馬と比しても、タロー嬢がいかに競走馬の常識を逸脱しているかがよく分かる。またハルウララとの決定的な相違点、それはウズシオタローが15勝もしている点である。無事これ名馬と言われるが、250戦をも闘い続けた驚異的な闘争心に人々は熱狂した。

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ウズシオタローがどれだけ人に愛されたかは、250戦目を迎えた引退レースで、一介の駄馬に対して主催者がウズシオタロー引退記念競走というレースを用意し、盛大に引退セレモニーが行われた事にも表れている。引退レース当日東京で仕事をしていた僕は、ウズシオタローの走りを見る機会を逃したが、その名馬を輩出した益田競馬場自体が失われると聞いて、アクセル全開でこの地へやってきた。

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全レースを見納めて観客がコースへと雪崩れ込む。甲子園と同じく各々が砂をビニール袋に詰め込み、思い出を瓶に袋に封じ込めた。その益田からそう遠くない場所に大峠はある。

前置き長っ!

全国に大峠は数多く存在するが、大峠と名乗るからにはそれなりのスケールを有していないとなかなか納得出来るものではない。

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代表格は山形と福島の県境に立ちはだかる大峠で異論はないだろう。これまでも全国各地に点在する大峠をいくつか見てきたが、そのどれもが大峠と呼べるような代物ではなく全て期待外れに終っている。東北の雄を超える大峠はこの世に存在しないのか?この県道にある大峠トンネルを潜りかけた時に脇を駆け上がる旧道らしき線形が偶然視界に入った。

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大峠トンネル手前から続く道は明らかに旧道であった。離合不能な完全1車線の極細道を上り詰めるとあっけなく峠に辿り着いた。視界は開けず景色は全く望めないし、離合不能な完全1車線の切り通しである大峠は期待を裏切るには充分過ぎる程ショボく、どこが大峠なのか理解に苦しむ。現道は大峠トンネルとループ橋によって快適な走行が約束される。

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