ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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犬狭峠

 

犬狭峠の取扱説明書

普段は峠越えで、急を要する時や冬期は犬狭トンネルを利用する。現代の犬狭峠は利用者の都合によってチョイスできるようになり非常に便利になった。トンネルであっちゅう間に抜けるもよし、旧道で景色を堪能するもよし、あなたならどっち?

 

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僕が初めて犬狭峠を越えた時はまだ現役バリバリの国道であったが当時も交通量はまばらであったと記憶している。険しいという印象は全くない。それは岡山県側のなだらかな高原風景が鳥取県側の険しさを打ち消すには充分なインパクトを持っているからに他ならない。どちら側から犬狭峠に差し掛かるのかによって印象は大きく変わる。

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僕はこの道の初通過が岡山県側からであった為峠を越えたという感覚は全く無かった。ご覧のように道路沿いには巨大な松の木が立ち並び均等に配置された様は昔の街道のようだ。日光のように両脇に配置されていれば古い道の雰囲気があっていいのだが道の片側だけに設置されている事から後年景観を意識し演出効果を兼ねて設置されたものなのか昔からこのような状態だったのかそれは分からないが防風林のようでもある。

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遮るものが何も無く秋は一面ススキが覆い、その景観を求めて多くのドライバーがやって来る。蒜山高原は大山の麓だけあって冬はスキー客で賑わい夏は登山、春と秋は山菜採りに紅葉狩りと通年レジャーを満喫できるだけあって人気スポットでもある。犬狭峠も旧道化したとは言え峠の駐車場には数台の車が止まっていて今でも登山基地として機能している。

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おにぎりは撤去され地図上でも国道色である赤線で塗られる事はなくなったが全線2車線で使い勝手もよく旧道化した今でも交通量はそれなりにある。岡山県側は勾配の緩やかな直線路で、犬狭峠に達しても峠に至った事をほとんど意識させる事はない。その昔犬も越えなかったと伝えられる犬狭峠であるが現在の峠は険しいという印象は全くない。

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ただ峠を越えた途端に下り坂となり、いくつかヘアピンコーナーがある事と稜線を利用した道造りに苦労の跡が見て取れる。稜線がなだらかに平野部まで続いていればその上に道路を通すだけで苦労も最小限で済むのだろうが、それまでなだらかに下ってきた稜線が突如途切れ急激に落ち込んでいるものだから、慌てふためくドライバーも少なからずいた事だろう。

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旧道は一旦明後日の方向へ、ヘアピンコーナーにて回避させ、高度を下げるという苦肉の策で、それでも九十九俺のようにいくつもヘアピンが連続する訳ではなく、極力カーブを少なくするように配慮した涙ぐましい努力の跡が覗える。通年通行を可能にするにはこれしかないと思われるルート設定に計画段階から緻密な現地調査が行われ、ルート選択ミスはなかった事を犬狭トンネルが開通した今も現役で利用されている事で証明している。

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犬も通さなかったと言われる犬狭峠、鳥取の平野部から見て尾根の一番低い箇所に狙いを定めて道路を通した先人達はお見事としか言い様がない。これからも急いでいる時や冬期はトンネルを利用し、それ以外は峠を越えたい、自然とそう思わせてくれる犬狭峠であった。

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