ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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法華津峠(法花津坂)

★★★★

 

法華津峠(法華津坂)の取扱説明書

法華津峠に興味を持つもこの地へ二の足を踏ませたのは、2桁国道旧道とは言え全線舗装路の法花津坂といういかにも面白みもなくただ長いだけの行程が想像できたからに他ならない。しかしこの考えは根底からあっさりと覆されてしまう。地図上からは読み取れない予想外の展開もまた旅の醍醐味のひとつであり法花津坂は意外な展開の峠道として私の脳裏に焼き付いた。

 

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当初僕はこの法華津峠を地図上で狙いを定めた時点で単なる長いだけのダラダラ坂という印象を持った。1320mもある長大隧道である法華津隧道を筆頭にいくつもの短い隧道群によって構成された現道は旧道とは全く別の高規格路線であり四国の大動脈である2桁国道という使命を背負っている以上、極狭のダラダラ坂では

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許されなかったのだろう。かくて19703月法華津隧道が開通し旧来の低速ダラダラ坂から現代の高速ダラダラ坂へとシフトした。登りは登坂車線が用意されている為実に快適な法花津坂も下りはみかんをしこたま積んだ過積載軽トラが前を走っていた暁には移動渋滞となり重要な幹線路に金魚の糞の如き隊列が姿を現す。

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現代でもある意味ダラダラ坂である法花津坂の旧道に忘れ去られたかのように立つ今にも朽ち果てそうな哀愁漂う白看と未整備で荒れ果てている狭い切り通しがマッチしていて、静寂さと言い僕好みの峠である。現在でも通行には支障がない法華津峠であるが、ここへ至る過程では普通車同士の離合が不能な箇所も多々あり

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大型車の通行は難儀を極めた事だろう。峠の名称とは裏腹に鬱蒼とした木々に覆われ展望は全く利かず宇和海が見渡せるのではないかという淡い期待は見事に打ち砕かれ景観に関しては期待外れに終わり、せめておにぎりでも残っていればという望みも結論から言えば絶たれた訳だが、下りに転じると成谷林道が派生していた。

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成谷林道の起点で未知なる林道の発見に少し気を取り直し、更に下ると公園が現れた。かつては賑わいを見せたであろう公園のその先には息を呑む程の絶景が広がっていた。法花津湾とその先に広がる宇和海、そこに浮かぶ大小の島々は成果の上がらぬ状況に意気消沈していた気持ちを吹き飛ばすには充分な威力であった。晴れた

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日には豊後水道を跨いだ大分の地もはっきりと見えるに違いない。法華津峠からの絶景を見せ付けられ当初単なるダラダラ坂と位置付けていた法花津坂に対する評価も修正を余儀なくされた。狭い1.5車線のトラバース区間にかつて大型車が通っていたのかは疑問だ。みかん畑の間を縫うように進む極狭道が主要2桁国道の旧道で

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あった事実は登坂車線のある現道とその脇から申し訳なさそうに合流する姿を対比した場合とても信じられるものではないが、かつてこの国道で最難所と言われた法華津峠は今、静かな眠りについている。

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