ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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鳥越峠

 

鳥越峠の取扱説明書

高知へ来たら外せない観光地が龍河洞。そこへ至るアクセス路に龍河洞トンネルが開通したのが19983月だから完成してまだ数年しか経っていない。旧道は切り通しで石垣に守られた鳥越峠は今も健在である。ただこの峠越えにはひとつだけ試練が待っている。それが常用的なのか一時的なものか、またまた季節によって変わるものかは気まぐれで通過する僕にはいまだに分からない。

 

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日本三大鍾乳洞である龍河洞へのメインアクセス路となるこの県道にまさかトンネルが通されているとは思いもよらなんだ。というのも以前来たのがサブルート的な並走する県道がまだ有料道路で龍河洞スカイライン時代へと遡らねばならない程昔の事だからだ。真新しい路面の現道が目の前の稜線へと直登しこのまま峠越えしてしまうのではないかという

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勢いで突っ込んでいくと、あわや峠越えかと思える寸前で旧道との分岐が現れトンネル坑口も確認できた。最近良くお目にかかる造りで坑門と呼べるような装飾はほとんど無く、山肌に開いた穴としか例えようがなく、良く言えばシンプルなのだろうが昔の隧道のような気合というか意気込みは感じられず、どちらかというと都会的なくクールさを感じてしまう。

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無駄なものを削ぎ落とした結果の姿なのかも知れないが、ほとんど機械任せのデジタル仕様というのがモロに滲み出ていて昔の隧道のような必死さが感じられず感情移入し難く好きになれそうにない。旧道は最初のヘアピンカーブで明後日の方向を向き昔と何等変わらない状況に懐かしさが込み上げてくる。峠近くからの眺めは線形が整った程度で

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周囲は然程変化した様子がなさそうだ。二つ目のヘアピンを過ぎ本来進むべき方角へ再び向きを変えると稜線は近い。雑木林の全く手入れされていないのではないかと思われる切り通しは健在であった。僕が頭の中にこの峠が強烈に焼き付いている理由がもうひとつある。それは臭いだ。鳥越峠はぶっちゃけ臭いのだ。臭い峠というのも珍しいとは思われるが

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何の匂いなのかは未だに分からない。近くに養豚場とか養鶏場でもあるのだろうか?しかしそれ系だったら林道脇などにいくらでもあるし、嗅ぎ慣れているので全く苦にならないが鳥越峠のは正直きつい。なるべく息をしないように無呼吸取材を試みるが、やがて玄界灘に達し普通以上に大量の空気を吸い込み逆に気分が余計に悪くなっている事に

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本人だけが気付いていない。若干具合が悪くなるもまた息を止め黙々と作業を続ける。そのような過酷な労働の上に当サイトは成り立っている訳で匂いをお伝え出来ないのが残念だ。この風景に似つかわしくない異臭により鳥越峠の記憶は鮮明に焼き付いてしまうのだ。鳥越峠は浅い切り通しで両側には低いながらも石垣が組まれ雰囲気はとてもいい。

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旧道はほぼ全線に渡り普通車同士の離合は楽勝でヘアピン部分のみ気を遣う程度で、現役続行でも良かったと思えるが観光バスも頻繁に通る龍河洞へのメインルートだけに大型車への配慮を考えれば新トンネルも必要性が充分あったのかも知れない。合流地点から振り返ると鳥越峠が稜線の一番低いX字に切れ込んだ箇所を通されているのが良く分かる。

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