ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>旧道電撃ネットワーク>北九州>大分>

榎峠

★★★

 

榎峠の取扱説明書

三国峠と宗太郎峠を越える両国道を結ぶ連絡道路として機能している県道に古い峠道が存在する。現道である2車線歩道付きの榎トンネルとその前身である榎隧道、ここまでが市販の地図に掲載されている。そして問題の榎峠は市販の地図に掲載されていないどころか、国土地理院の地形図からも抹消され、今や知る人ぞ知る幻の古道と化している。親子三代に渡る榎峠の初道を果たしてヘナリワンは越えられるのだろうか?

 

image002.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

今や全線に渡り2車線化が完了し、国道間を結ぶ重要な連絡道路として名実共に主要県道となった当路線に、問題の峠道が存在している事に気付いたのは21世紀を迎えて間もない頃であった。榎トンネルの脇にその前進である榎隧道が存在する事は市販の地図はおろかライダー御用達の某旅地図にさえ記載され、その存在は古くから知られている訳だが、まさか先先代の

image004.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

峠道が現存していようとはそれまで夢にも思わなんだ。榎隧道の初回調査は既に1996年当時に行っており、それ以後幾度なく連絡道として利用していた当路線において峠越えの旧旧道の存在に気付かなかったのは不覚であった。正直に言えばその存在に気付いてはいたのだ。トンネルのある所に旧道ありの鉄則に従えば、峠越えの道が存在するのではないかと疑ってみる事は

image006.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

至極自然な事であり、当然初回の調査からそれは意識されていた。しかし結論から申せば旧旧道の取り付けと思われる分岐が余りにも不自然であった事、またそれを裏付けるかの如く、国土地理院1/25000地形図からその存在が抹消されていた事などから僕は榎峠の車道実在説を真っ向から否定した。そして怪しき道の先をろくに確かめもせず、数年の歳月が流れた。

image008.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

しかし当路線を通過するたびに一度は否定した榎峠車道存在説を、もしかしたらもしかするかもと肯定しようとする自分がいた。そして塵も積もったフラストレーションがある日限界に達し、その真意を確かめるべく旧旧道らしき道へのヘナリワン突撃開始命令が下る。結論から言おう、ヘナリワンは榎峠に立った。国土地理院の地形図からも抹消された自動車を通す旧旧道の

image010.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

榎峠は確かに実在した。それはどれ位前に訪れたのか定かでないが峠にはダブルトラック、つまり自動車が通過した轍痕がはっきりと刻み込まれていたのだ。道中はグリーンのじゅうたんと化し、倒木が行く手を拒むも旧旧道の廃道化を促進するような決定的な場面は存在せず、峠までの道程は想像以上に容易であった。ズバリ言おう、現在でも榎峠は四輪での通過が可能である。

image012.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

勿論脱輪したらハイそれま〜で〜よのアドベンチャーコースではあるのだが、その昔はここを自動車が普通に越えていた訳で、現在でも通行可能な事は、とっくの昔に消え失せていいはずのダブルトラックが最後まで消失する事なく残っている事から、今でも車両が進入している事は間違いない。それは榎峠に設置された電柱の保守点検が目的の九電関連車両である可能性が極めて

image014.jpg

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

高い。現道との合流地点から振り返るとV字に切れ込んだ一番低い箇所が、今越えてきた榎峠であり、そこに狙いを定めて道を通していた事が良く分かる。榎峠直下に見えるのが現道の榎トンネルであり、その真横に先代の榎隧道が隠れるように存在している。先代が不通であるのが残念であるが、先先代が通り抜け可能な親子三代に渡る由緒正しき主要県道の姿がそこにはあった。

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ