ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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久七峠

★★★

 

久七峠の前説

2003年8月、延長が4kmにも及ぶ(正確には3945m)九州一の呼び声高い長大トンネルが開通し、久七峠は旧道と化した。ついこの前まで国道として供用されていた峠道の現状は如何様になっているのだろうか?その実態を確かめるべく僕は現場に急行した。

 

久七峠

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

そろそろ完成していてもいい頃ではないか。僕の愛用している地図は3年以上前の古いもので、予定線が点線で描かれているほとんどの道が、ここ最近ゴロゴロと開通に漕ぎ着けており、久七峠もそろそろではないかと思っていたが、ビンゴであった。旧道はトンネルの入口付近から始まっていた。

久七峠

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ちょっと前までこれが本線であった訳だから、脇に延びる旧道という言い方にも違和感はあるが、旧道化してからまだ日が浅く、現役国道の雰囲気を思いっきり残したままでそこにあった。地図上からは1.5車線の狭い山道をイメージしていたのだが、実際はセンターラインのある2車線路が全道程の半分を占め、少々拍子抜けしてしまった。

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それでもヘアピンコーナーの連続で、休む暇なく動かさねばならないクラッチ&ブレーキ操作で手が疲れる事からも、ここが険しい峠越えの難所である事を思い知らされる。連続したコーナーもやがて鳴りを潜め、周囲の山々も見渡せるようになり、峠が近い事を知る。地図からのイメージとは程遠く兎に角山深い。

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旧道に入ってからは人家の一軒も存在せず、無機質なアスファルトを始めとするガードレールや標識など道路に関係するもの以外は人工物が存在せず、人の温もりのようなものは全く感じられない。それは切り通しにも言える事なのだが、ちょっとした駐車スペースや稼動している自販機のひとつでも設置されていれば補充しにくる人がいる、また畑のひとつでもあれば毎日とは言わなくても週に何度かは手入れしに来るとか何らかの形で人の関わりというものを見出す事が出来るのだが、久七峠にはそれらが全くない。

久七峠

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切り通しの峠は視界が全く開けず、オマケに駐車スペースもない為、現役時はただ通過するだけの峠でしかなかったようだ。はっきり言って峠としてはかなりつまらない部類に属す。大型車同士の離合も可能な幅広の2車線というところもマイナスポイントだ。焼酎文化を分ける程の大山塊も、峠を越えると緩やかな下りとなり、視界に小学校だろうか校舎が飛び込んでくる。

久七峠

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ここに来てやっと人家に畑、バス停と次々に現れる生活感漂う光景に、大いなる安心感を抱く。久七峠は稜線つまり一番ピークに達した切り通しの箇所であるが、県境はそこから600mほど下った場所にある。その昔、久七爺さんが峠の石標を少しずつずらしてしまったと峠の碑には記述されている。んが果たしてそんな事が許されるのだろうか?だが現に県境と実際の峠は600mずれている。

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やっぱり元に戻さないとマズイだろと思った僕は、石標を少々ずらしておいた。そしてまた次回久七峠を通過する際は少しずらす。それを何年も続けて僕が生きている間に久七峠と県境を一致させてあげようと思う。いやいや、別に感謝状なんて要りませんよ。あくまで僕の気持ちですから。

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