ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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唐沢峠(町道唐沢線)(2)

★★★★

 

唐沢峠(町道唐沢線)の前説

普段は物静かな山中に突如耳障りな不協和音が鳴り響いたのは平成9年の事である。以後唐沢峠は通行止が常となり、一時期は開かずの峠とも言われ、跳ね返されたのも一度や二度ではない。唐沢峠に大規模な施工が実施されたのはこれが始めてではなく、人や牛馬しか通さぬ山道から車道を切り拓いた抜本的な改修に続き本件は二度目である。福島県は南端の限りなく栃木県に近い尾瀬の麓、伊南川の上流で枝分かれする西根川と湯ノ岐川の両川沿いに根付いた集落同士を結ぶ峰越えの未舗装路は、人道から車道へ、そして今酷道から快走路へと生まれ変わろうとしている。平成20年の開通を目指し急ピッチで工事が進められ間もなく旧道の仲間入りを果たす唐沢峠の現況を交えリポートする。

 

唐沢峠(町道唐沢線)2

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両集落を隔てる山塊の稜線に開削された切り通しは思いの外低く、うっかりしていると見過ごしてしまうほど山肌に同化してしまっている。これを抜ければ唐沢峠に設けられた広場へと抜け出る。

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林業が最も盛んであった一時期に枝葉を伸ばしたであろう作業道らしき道筋が痕跡を留める他は、特筆すべき点が無い唐沢峠。現在は山菜採りに紅葉狩り、ハイキング目的の車で賑わいを見せる。

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トイレも茶屋も無い簡素な峠だが事の外交通量は多く、道中も離合に難儀する年配層が操る四輪の姿を目撃する。改めて当路線が生活道路のみならず、部外者にも人気のルートである事を知った。

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地肌丸出しで落石防護ネットひとつ張っていない迫り来る大壁面の放置プレイは、何度眺めても見事という外なく、崩落した土砂を除去するに留め、スリル感を存分に堪能させてくれる南会津町に乾杯!

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四輪同士の離合不能区間が長い事、また冬期通行不能の解消が新道建設の理由だが、唐沢峠の新道建設に異論の余地は無い。むしろ県外からも歓迎の声が挙がるほど、その期待は大きい。

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湯ノ花、木賊共に昔ながらの共同浴場を構え、料金はいまだに200円という安さに加え、番台など常駐せず料金箱に投げ込む信用不安とは無縁の風土がいまだ健在で、湯をハシゴする者も多い。新道が開通すれば利便性は飛躍的に高まり、砂利道敬遠組も多数押し寄せ、その経済効果は決して少なくないだろう。

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峠道の遍歴としては三代、車道としては二代目となる唐沢新道。唐沢林道→村道唐沢線→町道唐沢線と時代と供にその名称を変えつつも、生活道路及び観光道路として地域に貢献してきた峠道も、間もなく24時間365日フル稼働の使える道へと生まれ変わる。

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