ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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町道昆布刈石海岸線

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町道昆布刈石海岸線の取扱説明書

これほど素晴らしい海岸線を僕は他に知らない。全国各地の海岸線は舗装化により本来の魅力を失い、ただ流すだけの道となってしまった。町道昆布刈石海岸線とはそれらの垂れ流しロードとは次元が違う。かつて日本中どこにでも見られた本来持ち得る風景美を我々に教えてくれる。船越栄一郎氏もこの断崖に絶賛し丹波哲郎氏も肥後の世界!と驚愕した恐るべき絶景を誇る町道昆布刈石海岸線を紹介しよう。

 

町道昆布刈石海岸線1/ORR

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北海道を初めて訪れた時は鉄道と船とバスを乗り継いでの旅であった。次に訪れた時はスティードというアメリカンバイクで時間にも縛られず自分で行き先を決められるという自由を手にした。それでも大き過ぎる北の台地のほんの一部、それも舗装路しか走らなかった。それでも大満足であったのだから今では信じられないが

町道昆布刈石海岸線2/ORR

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当時はただひたすら続く直線路だけで感動できた自分がいた。その後も出張で釧路へ行く際も飛行機を使えという会社側に対し裏技で寝台特急北斗星での往復を1シーズンに3回もやってのけるという荒業えーんどレンタカーにて薫別温泉突撃など出張を理由に北の大地を満喫していた訳だが本当の自由を手入れたのが

町道昆布刈石海岸線3/ORR

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ヘナリワン1号での上陸時である。町道昆布刈石海岸線。この道を初めて走った時の感動は今でも僕の脳裏に鮮明に焼き付き今こうして再訪してもそれは全く色褪せる事なく当時と同じ感動を僕に与えてくれるのだ。どこまでも果てしなく続く海岸線を起伏に富んだ幅広のフラットダートが延々と続くその姿はこの世のものとは

町道昆布刈石海岸線4/ORR

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思えない。僕はもしかして天国に逝っちゃったんじゃないか、もしここが天国であるならば現世には戻らなくてもいい。このまま昆布刈石を彷徨う浮遊霊になってもいいと思える程で、どこまでも広がる水平線と地平線に民家を含め目に付く人工物は一切存在せず、あるのは古びた木製の電柱だけだ。なんてノスタルジックなんだ。

町道昆布刈石海岸線5/ORR

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今僕は昆布刈石の真っ只中で誰にも邪魔される事なく至福の時を過している。嗚呼なんて幸せなんだ!あまりに幸せ過ぎて勃起しそうだ。再び昆布刈石に己の轍を刻み改めてここが全国的に見ても一流の景観である事を知った。一見荒涼としているのだが、どこか懐かしさを憶えてしまうのも木製の電柱と砂利道のコラボが主因で

町道昆布刈石海岸線6/ORR

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また僕はこの懐かしい風景を求めてここへ帰って来るに違いない。逝く前に一度は走っておいた方がいい道がある。町道昆布刈石海岸線もそのうちのひとつだ。現在この道に並走する形で国道のバイパスが建設されていて一部が吸収され破壊されるのではないかと危惧していたが、どうやら町道とは接触させない形で建設が

町道昆布刈石海岸線7/ORR

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進められているようなので少し安心した。もしこの道が舗装されてしまったら魅力は半減どころか完全に失われるだろう。町道昆布刈石海岸線は次の世代に現状のまま引き渡したい最高の物件である。

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