ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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鵬雲洞(1)

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鵬雲洞の取扱説明書

我が国の道路史における貴重な道路遺構が数多く現存し、その多くが破壊されずに現在でもほぼ往年の姿を留めたまま残されているお宝物件の宝庫、紀伊半島。そのほとんどは険しい山中に集中しており、当初開発が著しい市内においては、もともとそのようなお宝物件は存在しなかったか、或いはとっくの昔に破壊され、影も形もないものかと思い込んでいた。しかしその常識を覆すかのような極上物件がまさかまさかの市内中心部に残されていようとは。まさかその極上物件にORRを奈落の底に突き落とすそれはそれは大きなオチが用意されていようとは取材中夢にも思わなんだ。執筆中に至っても本人は全く気付かず、出来上がった報告書を無邪気な子供のように何も考えず世に送り出したのであった。それが路面電車のおもいっきり勘違い物件とも知らずに・・・。

 

鵬雲洞旧版1-1byORR

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

太陽が照り付ける昼下がり、どこもかしこも温度計は25度を指しており、この日は完全な夏日となっていた。調査に明け暮れ、汗だくとなっている僕に容赦なく紫外線は降り注ぐ。普段以上に体力は消耗させられ、メットの中は頼んでもないのに勝手に汁だくとなっていた。駄目だこりゃ、まだ紀伊半島の門を叩く地点で早くもギブ寸前であった。木陰を求めていたら

鵬雲洞旧版1-2byORR

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

丁度良いタイミングで公園が見つかった。紀伊半島を周回する国道は旧廃隧道のメッカで、既に幾つかの物件は当サイトでも紹介済みだが、調査はまだまだ始まったばかりと言っていいほど未知なる物件がゴロゴロ転がっているはずだ。当路線の起点である市内に毛見トンネルという2本の立派なトンネルが突かれている。市内という事もあり、その交通量たるや半端ではなく

鵬雲洞旧版1-3byORR

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

大型車が並走可能な2車線のトンネルが上下1本ずつ用意され、2本のトンネルの計4車線で捌いている。にも拘らず、なお渋滞は解消されない凄まじい交通量だ。そんな喧騒な現道の脇にある公園のベンチでおにぎりをパクついていると、背後をやたら頻繁にバーイセコが往来する。勿論徒歩組も合わせると人道も結構な通行量である。国道のトンネルにも歩道が完備されているが

鵬雲洞旧版1-4byORR

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

人々はそちらをほとんど使おうとはせず、歩行者専用トンネルをもっぱら利用しているようだ。確かに安全だし静かであるし、新鮮な排気ガスも吸わなくて済むしね。近年はどこもかしこもわざわざ歩道トンネルを突くようになっているが、急激なモータリゼーションの発達により、そればかりに関心が向き、歩行者をないがしろにした代償が今多くの道路脇に新たな歩行者専用

鵬雲洞旧版1-5byORR

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

トンネルを突かせている訳だ。費用対効果から言えば何ともまあもったいない話で、できれば旧廃隧道でもあれば、それを復旧させた方が遥かに安上がりで得策とは思えるのだが、そうそう都合よく旧廃隧道が存在するはずもなく、歩行者が危険にさらされるような車両だけでギリギリガールズな狭いトンネルは安全対策の急務という事で否応なく歩行者専用トンネルが

鵬雲洞旧版1-6byORR

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

通されている。先程からしきりに人々が行き来する、ここ毛見トンネル脇に突かれた歩行者専用トンネルってどんな感じなのかな?坑口もすぐそばにあるようだし、ほとんど興味はないのだけれど、ちょっと覗いてみようかしら、そんな軽い気持ちで坑門へと近付くと何やら随分とモダンな造りであった。しかも今時レンガなんかわざと使っちゃって。もう和歌山ったらオ・シャ・レ!

鵬雲洞旧版1-7byORR

おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書

最新工法の歩行者専用トンネルなのに扁額まで用意しちゃって・・・。鵬雲洞、あれっ?これってもすかして・・・きゅ・きゅ・旧隧道だぁ〜!って事はこれは正真正銘の年代モノのレンガ?立派な迫石付きの見事なリングアーチに笠石、扁額、帯石とまさにこれは本物だ。こ・こ・これは大変な事になってきたぞい!

鵬雲洞(2)へ続く

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