ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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かなめとんねる

 

かなめとんねるの取扱説明書

県道282号線のボトルネックかなめとんねるは現役の県道に存在する隧道で余りにも小さな隧道から当初没ネタとなる物件であったが、14mという短さに現役のバス路線という事も加味して没ネタからはれて報告書入りを果たした。

 

かなめとんねる

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

現役の県道に立ちはだかる特異な隧道をその日偶然に発見してしまった。余りにも小さいその隧道は恐らく名称などないだろう。正式名称が付いているとしても恐らく地元の人でも知らないと決め付けられるような岩をチョイと刳り貫いた程度の物件で取材対象と成り得ず充分没ネタ級のお蔵入り物件である可能性が高い。ORRの厳しい審査を通過し無事報告書となって

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成仏される物件リストに入る事は非常に難しいと言える。林道なんかはどんなに未舗装距離が長かろうとも抜けていなければ即没ネタの厳しい世界である。当然隧道も今回のような小さいものをひとつひとつ丁寧に取材していたら生涯携わる事の出来る物件数にも限りが生じる為、名称不明竣工年も不明、特徴も少ないとなれば没ネタとなる可能性は大だ。

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特に林道上に存在する隧道はほぼ全てと言っていいほど取り扱う可能性はない。国道の隧道なのにレンガやテボッチャーという意外性を追求し望んでいるのであって、等級の低い林道でテボッチャーは当たり前であって、距離が異常に長いとか普通車では抜けれないとか特異な部分がなければ報告書に上がる事はない。また現役よりも旧廃を重んじるので

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

県道の隧道とは言え現道であるこの隧道がお蔵入りする可能性は充分にあった訳だ。車1台がやっとの幅員なのだが何故か高さだけは充分過ぎる程確保されている。この物件がある位置は離合不能な完全1車線と、なんとか交わせそうな1.5車線を断続的に繰り返すようなひなびた山村を結ぶ極狭県道なのだがここにも路線バスがやってくるのだ。恐らく大型車の

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

通行を考慮して充分な高さが確保されているのだろう。この県道は渓谷のような川沿いにあり、落差が結構あり巨大な一枚岩を刳り貫くと言っても並大抵に苦労ではなかったはずだ。坑門と呼べるようなものはなく一切の装飾も施されていないいたってシンプルな造りだ。この隧道がいかに厳しい箇所にあるかはアングルを引いたこの画像をご覧頂ければ

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

一目瞭然だ。渓谷にありがちな突き出した巨大な岩をぶち抜いてある訳だが、その奥に目をやって欲しい。校舎が見えないだろうか?そう、この隧道とは対照的な立派な学校が渓谷の対岸にあった。ガードレールが設置されていなかったら物凄い恐怖感にさいなまれるような険しい場所を突くこの隧道の名をかなめとんねるという。隧道ではないトンネルでもない。

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とんねるだ。何故かなめとんねるという平仮名である事が断定できるのか?それはこのちっこい隧道にしっかりと銘板が埋め込まれていたからだ。このような隧道は名称、竣工年不明という物件が大多数を占める中で、まさに快挙と言える。昭和弐拾壱年三月拾五日竣工のかなめとんねるは銘板によりORRの厳しい審査を潜り抜けた奇跡の隧道と言える。

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