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夕張隧道 ★★ |
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夕張隧道の取扱説明書 長らく工事が続いていた夕張峠に自動車道としては三代目にあたる新道が完成し、新トンネルを中心とする第三の夕張坂が誕生した。その姿は北海道に初上陸した時から目にしてはいたが、分厚い幕に覆われその全貌はベールに包まれたままであった。一部の読者から新トンネルが開通したとの一報が入ったが、当時絶不調の真っ只中にいた僕はそれをこの目で確認する事なく月日は流れ、そして夕張という小さな炭鉱の町で起こったささやかな出来事は他人事として追憶の彼方へと消え去った。それが2006年度版の地図に新道が描かれている事により、すっかり忘却の彼方にあった夕張隧道の往年の姿が鮮明に甦ってきたのだ。昭和も中期から後期にさしかかろうとしていた頃に竣工された隧道だけあって、坑門は至って平凡と書きたい所であるが、竣工時からそうなのか或いは改修後に現在のようになったのかは定かでないが、コンクリ隧道なのに随分と派手な装飾なのである。今後は夕張隧道のような旧廃隧道が世に多数排出されると思うが、その口火を切るであろう夕張隧道最後の勇姿をとくとご覧あれ。 |
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夕張隧道１ 夕張とわたし。100％そんな作文を小学校で書くはずもないほど北海道という地は僕にとって何の関係も無い異国の地であった。地続きでもなく泳いで渡れるでもない以上、それはそれは北海道という地が本当に存在するのかさえ疑わしいほど、僕の中では半ば妖しいおとぎの国に見えた。本当はロシアの領土なのに日本が我が国の領土として地図上に返還後の夢を描いているだけでは |
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夕張隧道２ ないのか。そんな思いは竜飛岬から或いは大間崎から、まだ見ぬ彼の地が目前に迫っていてもたいして変わりはなかった。温泉の滝がある、ジャスコまで100km走らねばならない、曲がる事を忘れた直線道路、常に危機迫るガス欠との闘い、今日も自販機を見る事は無かった、ソーダ水(炭酸水)がタダで飲める、メロンを捨てている等々、渡道し帰還した友人達が口にする奇妙な証言の数々が |
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夕張隧道３ 国土地理院陰謀説を更に後押しした。嘘だ！お前等みんな嘘つきだ。そんな事あるはずがないしあってはならない。その頃ハワイに行って来たといいながら、いわきの常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)に行く大人が後を絶たなかったものだから余計疑心暗鬼になっていた。これは自分の目で確認するしかない。盗んだバイクで走り出す〜以下略〜15の夜♪あの〜バイクは盗む |
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夕張隧道４ 物じゃなくて買って乗る物なんで、くれぐれも盗まないようにお願い致します。正確には16でしたがなけなしの小遣いはたいて普通にチケット買って青函連絡船に乗りましたよ。それが今じゃ僕もちょい悪オヤジとなって、さながら津軽海峡ドン小西って感じですかね。生産調整で廃棄される運命の夕張メロンをタダ同然でもらい夕張メロンを求めてやってくる女性をターゲットにメロンで釣り上げるって |
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夕張隧道５ 皮算用ですわ。まず最初に成功祈願をしておかねばなりません。皆さんもご一緒に！メロンを食わせて女食う、ハイ・ハイ・ハイハイハイ・夕張探検隊！夕張探検隊！えっ、成果ですか？今まで一件もありません。本当はちょい駄目オヤジですから〜。という訳でメロンがタダでもらえたのを皮切りに渡道した人達が口にする全ての事象が真実であった事を後に知るのである。その昔は炭鉱の町として |
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夕張隧道６ 栄え、近年では夕張メロンで一躍脚光を浴びるこの町の主要路線として長らく君臨してきた夕張隧道。急カーブの連続でいかにも険しい道程だが、近代工法を投入され隧道以外は主要道道の面目を保っている。町史によれば夕張隧道は昭和40年の竣工とされるが、その装飾はド派手で、森をイメージしたかのような模様が彫り込まれ、フットボール型の断面と合わせて本州の物とは明らかに異なる |
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夕張隧道７／歴史の道踏査報告書 DNAを持つ物件だ。大型車同士の内部離合を可能とし、極狭ながらも歩行者用通路まで確保した夕張隧道であったが、時代の要請には逆らえず真隣の大断面を有する夕張トンネルにあっさりとその座を明け渡した。これで二股峠は親子三世代に渡る歴史ある峠道となった。夕張隧道の行方が非常に気になる所ではあるが、旧旧道がゴミ処理場になっている事から、旧道も予断を許さないのである。 |
