ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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本坂隧道

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本坂隧道の取扱説明書

本坂隧道は日本を代表する超大物隧道で県内では同じく全国区の伊勢神隧道と並んで二枚看板か。坑門坑内共に総レンガ造りで神殿のような坑門はまさに大迫力である。しかしどちらも逝かれポンチキのスプレー攻撃に遭い、瀕死の状態に追いやられている。普段は隧道封鎖に消極的な僕も流石にこれを目の当たりにしては隧道保護の観点から封鎖も致し方ないと考えてしまう。本坂トンネルが無料化しこの道が本格的な旧道になった際どのような措置が取られるのだろうか?

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

長らく東海道の裏街道として利用されてきた姫街道も人道の峰越えルートから自動車の通行も可能な隧道での峠越えへと劇的な進化を遂げ本坂峠は完全に生まれ変わった。時は大正4年の事である。それにより裏方から本格的な主要路へと脱却した訳だ。恐らく当時としてはかなり気合の入った難工事であったと思われる。

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僕が初めて本坂峠を越えたのはもう随分昔の話だが、昔の旅人と同じで東海道を嫌って姫街道へと舵をとった。既に本坂トンネルは完成していて当然旧道覚悟で突っ込んだ訳だがその時は夕暮れ時で今程隧道に対する拘りもなかった事からあっさりと本坂隧道には見向きもせずに通過した。以後何度か本坂峠を越えているが徐々に興味を増し写真に収めたりもしたが本格的な調査は今回が初めてである。

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掘割の見事なまでの石垣に導かれた先には神殿のようでもあり神社の鳥居のようにも見える強烈なインパクトを持った本坂隧道があった。立派な門柱と帯石のクロス、そこに挟まれた巨大な扁額は圧倒的な迫力で完全にひとつの芸術的作品に仕上がっている。帯石と扁額を除くその全てがレンガ積みであってリングアーチに至っては四重巻で他の隧道とはちょっとレベルが違う。

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内部に目を転じてみよう。内壁がびっしりとレンガによって覆われているのが分かる。一部は改修されてしまっているのは残念だが現道である以上美観よりも通行の安全確保が最優先だからそれも仕方あるまい。内部は普通車同士の離合を可能としており、来る自動車時代を予見してこれだけの幅員を当初から確保したのだろうか?

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照明は設置されていないが広い空間が恐怖感を相殺していて思った程怖さは感じない。こちらの坑門も全く同じ造りで惚れ惚れする超大物隧道である。両坑門共に一切の装飾が成されておらずシンプル伊豆ベストの象徴とも言える本坂隧道。後付の標識類ベタ貼りではせっかくのいい素材が台無しとなってしまう。

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そんな悲運な隧道も多い中本坂隧道は手を加えられる事なく今に至った訳だが、ご覧頂いてお分かりのように表面は凄まじい事になっている。スプレーにより届く範囲は全てと言って差し支えない程表面は完全に塗りたくられている。現道である以上今の所は手の施しようがないのかも知れないが、本坂トンネルが無料開放され完全に旧道と化した際はどのような措置が取られるのかが心配である。

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いたずら防止目的で封鎖という可能性も充分に考えられる。というのも本坂峠旧道沿いには人家が全くなく、本坂隧道を封鎖してもそれほど支障はないと思えるからだ。これだけ破壊されると封鎖反対派の僕でもほとぼりが冷める数十年間は封鎖した方が隧道の事を考えればいいのではないかと思ってしまう。この落書きはダスキンの技術力で何とかならないものだろうか?

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