ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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當目隧道

★★★

 

當目隧道の取扱説明書

春は全国から大勢の方がこの地を訪れオヤジ狩りいちご狩りを楽しむ。海岸沿いのビニールハウスのほとんどがオヤジ畑いちご畑で周辺はおじさん臭いいちごの甘酸っぱいフルーティーな香りに包まれ家族やアベックが思い思いにぼこぼこにしている摘み取っている光景が毎年繰り返され大変微笑ましい地に當目隧道はある。巨大ホテルとのミスマッチに誰もがあっと驚く事だろう。

 

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この国道は新日本坂トンネル経由のバイパスと海沿いの旧道と二手に分かれ、現在どちらも国道指定されている。大型車はルートを選べずバイパスしか通行できないが普通車はルート選択ができる。人気があるのは勿論海沿いの旧道だが、これが凄まじい断崖絶壁でよく道を通したもんだと関心してしまう。旧2車線規格の狭い道で国道とは言え大型車が進入すれば通行に支障をきたすのはこの當目隧道ひとつ取っても明らかだろう。

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しかも凄まじい高さの絶壁で大変危険なルートでもある。新幹線と高速道路の日本坂トンネルに挟まれた現在の新日本坂トンネルが開通する以前は大型車も通行可能だったのだろうか?それはかなり危険な譲二山本であり、国道8号親不知区間を一回り小さくした感じ、または国道148を二回り小さくした感じであり隧道意外の区間はなんとかなってもこの狭さじゃ処理できないのはご覧の通りである。

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バイパスと分岐し、しばらくは大型車がこの先通行不能と思える箇所は全く見当たらず、このまま行けるんちゃうんと思った瞬間満を持して當目隧道が姿を現すというコテコテのシチュエーションだ。隧道内はどう見ても1.5車線強であるがセンターラインが半ば強引に引かれており国土交通省の誰が何と言おうとこの道は2車線です!という既成事実としか思えないのは我々だけではあるまい。

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当たり前だが歩行者の事は全く考慮されていない。最も當目隧道を抜けると人家はほとんど無く、この国道が通された後に建てたであろう店があるだけで、歩行者やチャリは滅多に通らないのだろうが、それにしても内部は狭く普通車同士の離合がやっとで、バイパス完成以前の交通事情は想像を絶する惨状であったのかも知れない。

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當目隧道の坑門は門柱、帯石、アーチリング、扁額とお宝隧道に必要な項目は一通り満たしている。静岡県に當目隧道以上の大物が多数存在している為か、それらと比較するとパンチ不足と言わざるを得ない。ただしこの海岸ルートに点在する隧道群の中でその存在はピカイチで個人的意見としては昭和初期の香り漂う當目隧道はお気に入りの部類である。

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これで内部がテボッチャーだったら評価も変わったと思うが、現状でも近代的な超巨大ホテルとのミスマッチが充分な演出効果を発揮し、そのギャップは當目隧道をお目当てに来た者をあっと言わせるに違いない。この先にもいくつか隧道が存在するがそのどれもが當目隧道の足元にも及ばない普通のトンネルである。

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ここ大崩海岸はその名の通りの難所で隧道が崩壊し一部海上に張り出すように迂回路が新設され、そこだけは完全に海の上を走っていて、皮肉にもその箇所が人気を得ているようだが破壊された隧道を横目に見るたびに気になって仕方がない。

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