ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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道瀬隧道

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道瀬隧道の取扱説明書

道瀬隧道は熊野古道が自動車も通行できる国道の熊野街道へと進化した際に造られた熊野灘周辺に残る旧国道お宝隧道群のひとつで歩道自転車専用通路として現在も供用されておりしっかり管理されている為廃棄される心配のない貴重なレンガ隧道である

 

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熊野灘を行く2桁国道にいくつか存在するお宝隧道の中でも、ここ道瀬隧道は外観保存状態といい全ての面で全国的に見てもトップクラスの隧道である。現行のトンネルと並んでいるその姿は鉄道で言えば近代型電車とSLを見比べているのと感覚的には全く同じである。2桁国道を走っていれば明らかに旧道であると思える引き込みの先に道瀬隧道は静かに存在しています。

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その姿は鉄道隧道かと思える狭さで今にも蒸気機関車が煙を上げながら出てきそうであるがここは間違いなく造られた当初から道路であり旧国道なのである。当然路線バスも通っていたであろう道瀬隧道は現在徒歩自転車専用道として現役で供用されており補修されていて開通当初とは若干違いがあるのかも知れないが現在でも坑門はほとんど手が加えらておらず限りなく現役時に近い形で保存されており三重県の土木建造物保存に取り組む姿勢の前向きさが窺えます。

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ただ壊さなければいいというものでもなく、かと言って手を加え過ぎて原型を留めていないのもまた問題であり一口に保存と言っても難しいのかも知れませんが内部はコンクリで覆われており現役時は手掘りだったのかも知れませんがこれは補強対策としては仕方のない事でしょう。

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歩行者や自転車が安全に通行する為に背に腹は変えられません。均等な間隔で設置されている蛍光灯も跡付けと思われ現役時の照明類は無かった事も考えられます。

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路面はこれまた両側に排水設備を両坑門共にレンガ造りと石組みの美しいポータルそのままに扁額もしっかり残っており封鎖しなかった事は勿論の事、隧道保存に対し熱心取り組んで来た三重県の功績は称えられて然るべきである。

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反対側も道に全く興味のない方なら歩行者自転車専用道を後から造ったような引き込み線にしか見えないのでしょうが、まさかこの先にお宝レンガ隧道が眠っているとは夢にも思わないでしょう。両側とも坑口手前は狭い切り通しであり離合できる幅は確保されておらず現役時はどのように交互通行を行っていたのか不思議である。

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完備したコンクリで一寸の狂いもない近代工法で敷かれていて現役当時を知る人から見れば全く別物のように見えるのかも知れません。見事なまでにロングストレートで突かれた隧道は当時の技術の高さを物語っていますが道瀬隧道の設計者はご存知長島、海野両隧道も手掛けたあの岩井藤太郎です。

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