ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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明神滝隧道

★★

 

明神滝隧道の取扱説明書

新明神滝トンネルの開通が19936月だから明神滝隧道が旧道化してから10年以上が経過している訳で、封鎖されている事も覚悟していたが無事に通過する事ができ、隧道の出来云々よりも現役で供用されている事に感心した。

 

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正直この分岐を見て驚いた。というのもこの岩を割っただけのような分岐がかつての道だとはとても思えなかったからだ。単に線形というより地形が劇的に変化してしまっていて、あたかもこの地を初めて訪れたような錯覚に陥るが、それは決して有り得ない。かつての地図を見ても僕はここを通過している事実は昔の地図に走った所を全てマーカーでなぞってあるので、疑いようはなかった。

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しかも当時の地図には現道の影も形もなく、計画線すら引かれていない生粋の旧道のみという時代に通過していて僕が分岐地点に見覚えがなくて当然であり、分岐をすんなり受け入れられる方が不自然なのだ。旧道へ入っても記憶は甦る事なく遠いどこかに置き去りにしてきたのだろうか?やがて明神滝隧道が目の前に現れるも全く記憶にございません状態は続いていた。

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新鮮と言えば新鮮だ、未知なる道を走っているのと何等変わらぬ状態なのだから。記憶にないのだから懐かしさは感じる事はない明神滝隧道の坑門は凹凸のないシャープなコンクリ製でしっかりとした造りでパッと見、昭和中期以降か。坑門に貼り付けられた高さ制限標識がいいアクセントになっている。

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扁額は解読可能で、竣工年も記されていた。昭和339月竣工だから昭和中期という読みは当たっている。但しそれ以前はどうしていたんだという疑問が湧いてくる。このルート自体がそれ以前は存在しておらず当時の新設ルートであったとか、旧旧道が隧道上を通過しているとか、現在見ている物件は二代目で初代はもっと以前の竣工である等々。

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地域の歴史を紐解いて見れば一発解消だがそれじゃぁ面白味に欠ける。やはり推理し現場にてあらゆる角度から検証してみる。最後に古老から生の証言を得られればバッチグーだ。昭和33年にしては随分小さな隧道を造ったもんだ。路線バス1台がギリギリガールズで坑口前の待避所さえ満足行く状態ではなく、これが格下の道なら何でもない事なのだが国道という事実を知れば、ハイそうですかと簡単に納得できるものではない。

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いくら交通量が少ないとは言えもう少し広くても良かったのではないかと現状だけ見れば思うが、当時はこの大きさで充分な交通量だったのかも知れない。内部は滑らかなコンクリで覆われ坑門共々竣工当時は最先端の造りであったと思われる。この明神滝隧道を僕は昔確実に通過しているのだ。

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それも10年以上も前にたった一度だけ。この道がまだ現道だった時代だ。その頃の僕はなるべく国道を含む主要道を介さずに林道のみを繋いで走るという走り方で、当然この国道も避けていたのだが、記憶に全くない事から夕暮れか夜間に通過したか、雨中の走行だった可能性が極めて高い。と、あくまで若年性痴呆症説は否定しておきたい。

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