ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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深見隧道(向洛洞)

★★

 

深見隧道(向洛洞)の取扱説明書

20019月に深見トンネルが完成し深見隧道はすぐに閉じられてしまった。大型車の内部離合が厳しかったとは言え交通量極少の国道に立派な新トンネルが造られた背景には深見隧道の危険性があったのかも知れない。扁額には向洛洞と記されているのは、それまで険しい峠を越え京の都へ向かっていたのが深見隧道の完成により、どれだけ楽になりどれだけ京の都が近づいたのかを表しているのではないだろうか?深見隧道は通り抜ける事はできなくなったが当時の人々の想いや交通事情を語る上でも坑門だけはこのままの状態で残してもらいたいと切に願う。

 

深見隧道(向洛洞)[ORRの道路調査報告書]

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日頃愛用している地図では計画線となっている深見トンネルだが、そろそろ完成しているのではないかと思うと事前情報が無い為半信半疑で現地へと向かった。それまで狭い2車線であったものが歩道も完備している立派な道路に変わりその正面に完成してまだ日の浅い深見トンネルが姿を現わした。追い越し禁止のセンターラインは新道主体で塗られトンネルから対向車が猛スピードで飛び出してきた。

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よっしゃ完成している。さあ旧道だ!と思った瞬間いきなり出鼻をくじかれた。大きく弧を描くように延びている旧道にはなんとした事か頑丈なゲートが設置されているではないか!鉄の門に監視カメラと不法投棄対策は完璧である。これではお手上げだ。こうなったら歩くしかないのだがいったいどれ位歩く破目になるのだろう?実はすぐに諦めた訳でもなく単車が通れる隙間はないか隈なく探したが管理側の施策は完璧だった。

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チクショー歩く事を想定して予定を組んでいる訳ではないので、歩くのが面倒なのではなく予定がずれる事がやっかいであった。結果的には坑門までそれほどの距離もなく、悪足掻きせずにさっさと歩いていった方が時間的ロスは少なくて済んだのだが出来ればヘナリワン共々到達出来る方がいいに決まっているのでどうしても納得し諦めがつくまでは何としても抜け道を探そうと試みるが無駄に終わる確率の方が高かったりする。

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さて、目の前に現れた深見隧道は初めて目にするというか、何度か通過しているが意識してまじまじと観察するのはこれが初めてで、これまで見てきたどの隧道とも酷似した容姿の物件が思い当たらず異色の隧道と言える深見隧道。コンクリで覆われたその姿は遠目からでもこれまで見てきた坑門とは明らかに違って見えた。

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立派過ぎる門柱と上部の帯石だけが異常に目立ち、両脇が一段下げられている事とリングアーチがベタ塗りで、アンバランスこの上ない容姿の深見隧道。これは完成形なのだろうか?それとも失敗作なのだろうか?

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現道との分岐に完璧なガードを施している為か、簡単に進入可能な簡易フェンスのみで進入者を拒むも実は残念ながら新道建設で出た土砂だろうか人為的に埋められてしまい、現在通り抜ける事はできない。反対側にも立派なバリケードが施されていたが、こちら側はヘナリワンの進入をあっさり許した。途中から林道が派生していて反対側と違い現在も利用されているようで林道が本線扱いになっている。

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こちらの坑門はいたってシンプルな構造で、反対側と何故大きな違いが出たのだろうか?こちら側は京から出て行く門に対し反対側は京へ行く門である。こちら側の扁額は深見隧道なのに対し反対側は向洛洞となっている事からも当時の人々の京への想いが何となく分かるような気がした。

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