ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>隧道電撃ネットワーク>北近畿>滋賀>襠鳥坂隧道

襠鳥坂隧道

★★★★

 

襠鳥坂隧道の取扱説明書

19963月新襠鳥坂トンネルの完成により襠鳥坂隧道は現役を退いたかに見えたが現在でも通行可能である上に交通量は皆無であり昭和初期らしい雰囲気のある襠鳥坂隧道をゆっくり堪能する事ができます。

 

襠鳥坂隧道[ORRの道路調査報告書]

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

琵琶湖の畔に古くからある木之本宿の裏山に3桁国道の旧道があり小さな隧道が存在する。それが襠鳥坂隧道である。改良が急ピッチで進むここ3桁国道も一番の難所であった八草トンネルの開通により酷道と呼べる区間はあと僅かになり間もなく全線快適な2車線の国道に生まれ変わろうとしている。

image003

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

分岐から1.5車線の舗装路を上って来ると襠鳥坂隧道の坑口が斜めに向いた状態で現れる。出口付近の急カーブは良くある事だがここも現役時離合には苦労した事であろう。坑口手前は幅が広く取られており普通車同士の離合も何等問題ない。現在のトンネルと比較して似ても似つかないそのお姿は独特の味わい深さがある。

image005

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

表面はコンクリで覆われているがかなり色褪せており竣工当時のものなのかも知れない。ポータルが美しく扁額もしっかり読み取れる状態です。ぱっと見昭和初期の造りに見えますがそれ以前から手掘りで存在していたのでしょうか。もっともこの隧道の真上の鞍部は高くなく襠鳥坂隧道完成以前は峠越えしていた可能性もあります。

image007

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

昭和の竣工となれば完全に自動車を通す事を想定して造られたであろう内部はバスがギリギリガールズといった幅で普通車同士の内部離合は出来ません。両側の排水設備と内巻の補強板は後年になってから補修されたようで全く劣化しておらずむしろ新しいとさえ言えます。旧道化した現在も照明が点いており勿論現役で通行可能であるが途中に民家もなくその交通量は皆無に等しい。

image009

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

こちらは鬱蒼とした樹林地帯になっていてジメジメとしており苔生した側壁とは裏腹に坑門だけは異常なまでに綺麗なのが逆に浮いてしまっている。太陽の光が届かないからか色褪せてもおらず全く古そうには見えない。やはり後年全体的に手が加えられたのであろうか。但し雰囲気は独特のものがあり個人的はお気に入りである。

image011

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

隧道へ至る道の過程も良く手入れされており、旧道後もしっかりと管理されているようである。木之本宿という歴史ある街が襠鳥坂隧道という歴史ある隧道の保存に積極的なのは自然な成り行きと言えるが、管理するにはそれなりの資金と労力が必要であり不景気なご時世でどこも苦しい財政難の中、安易に廃棄しなかった事は賞賛に値します。

image013

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

行政側が理解してくれていても予算がなければいずれ廃棄されるしかないのかも知れません。

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ