ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>隧道電撃ネットワーク>山陽>岡山>背隧道

馬背隧道

 

馬背隧道の取扱説明書

現状は鉱山専用トンネルのようにも見える馬背隧道だが、紛れもない旧国道の隧道である。馬背隧道の構造そのものはたいした事はないのだが、この隧道の過去を知っている者ほど現在とのギャップに溜息をつくことだろう。

 

馬背隧道

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

このような探索をしていて少なくないのが私有地に入らねばならない場面に遭遇する事だ。利用価値のなくなった旧道を民間に払い下げる事は決して珍しい事ではない。元々誰かの土地を買い上げて道を通し、やがて新道が開通し役割を終えた旧道は次のポストに就く訳だが、格下げされ現役続行する道もあれば用無しの烙印を押される道もある。

image003

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

旧道上に人家などなく、また派生する林道などない単体の道となると行政にとっては管理し続ける事によってそれなりの経費がかかり、旧道の存在自体がお荷物となっている場合が少なくない。元の地主に返されるのか新たなバイヤーが現れるのか、ともかく旧道が個人や民間に払い下げられる事は珍しい事ではない。普段気付かないだけで実は

image005

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

探索中の場所が私有地であったなんて事も充分考えられるのだ。不法侵入で訴えられてもおかしくはないので意図的の方は勿論無意識の方もご注意下さい。ここ馬背隧道は旧国道なのだが民間に払い下げられ鉱山の一部となっていて現在は砕石場の中を通過するような状態になっている。現道との分岐からほんの僅かな距離で馬背隧道に達するのだが

image007

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ダンプの往来が激しく危険であるのと同時にバイクでの進入は明らかに不法侵入というか場違いな異物であり、いつ轢き殺されてもおかしくはない。道路ではなく私有地内で何かあっても道交法は適用されないのでその点でもご注意を!馬背隧道はバイクや徒歩より車で突撃した方が遥かに楽だ。というのも馬背隧道を抜けた先にこの事業所へ通う

image009

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ダンプの運ちゃん連中の駐車場があり、車での進入は全く違和感がないからだ。馬背隧道の手前にある事務所のおばちゃんに許可を得て取材に取り掛かるが、仕事の邪魔をしてはいけないので作業車がいなくなるまで待機するのだが、作業が一段落しても砂埃が酷く落ち着いたと思ったらまた作業の繰り返しでなかなかシャッターチャンスは訪れない。

image011

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

30分程してやっと静かになり馬背隧道をじっくり堪能する事が出来た。現トンネルは大型車の離合を楽にこなすが馬背隧道は大型車1台がやっとで普通車同士の離合が限界であり観光バスも多く通過するこの国道の旧道はかなり酷であった事が分かる。坑門はいたってシンプルは構造でこれといった大きな特徴は無くこじんまりとまとまっている。

image013

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

旧道上の遺構でなければ取材対象とは成り得ない物件ではあるが、山積みにされた砕石が旧道脇を覆い尽くすその姿は、もうここが国道の旧道ではなく完全に人様の手に渡ってしまった事を思い知らされ、手の届かない場所へ行ってしまったような気さえする。鉱山専用トンネルと化した馬背隧道に僕らが出来る事はここがかつて国道であった事を語り継ぐ事だけだ。

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ