ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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土伏隧道

 

土伏隧道の取扱説明書

数年前に偶然発見した土伏隧道だが年々状況は悪化の一途である。隧道そのものではなくアプローチが自然の猛威にさらされ、アスファルトも一旦人の手を離れると想像以上に荒れてしまう事を改めて思い知らされる物件であった。

 

土伏隧道

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湯原ダム直下の無料露天風呂から上がって湯原湖沿いの県道を流していて土伏トンネルに差し掛かった時それは視界に入ってしまった。ガードレールで塞いであるのでどう見ても旧道なのだが、何か嫌な予感がした。それはアスファルトなのにそのほとんどが草に覆い尽くされ未舗装路だったのではと思える程自然に還りつつある状態におののいた訳ではなく、

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また坑口が異様な姿や威圧感を持っている訳でもない。言葉や数値では言い表せない一種独特の雰囲気、場の空気とでも言えばいいのだろうか?皆さんも通常のドライブやツーリングなどでも意識していないだけで、実際に何百というトンネルを潜ってきているとは思いますが、何か感じた事ってあります?僕はありません。ただ使われなくなった隧道って

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管理されなくなってどんどん朽ち果てていくので見た目の怖さは増してくるのが普通で、そんなのに尾ひれがついて心霊スポットになっていくのでしょう。しかし中にはあるんですよ本物が。坑門はいたってシンプルな造りで小さな扁額のあるコンクリ製は後年改修されて綺麗なままなのだろうか?割れ目から水が噴出しているが全体的には色褪せていない。

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朽ち果てそうな制限標識とは対照的だ。坑口手前までびっしりと草に覆われ旧道の全線がアスファルトにも関わらず路面は未舗装路なのではないかと思える程自然に戻りつつある。土伏隧道は現道との分岐において頑丈なガードレールによってしっかり封鎖されている。その先はカーブになっていて路面を覆う草に山水が絶え間なく流れ込み完全に湿地帯と

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なっていて進入しようとする者の行く手を拒む。内部だけは侵食を逃れていて落盤なども全く無く全面コンクリ巻きで状態は良好で土伏トンネルの代用は今でも果たせそうだ。出口付近がカーブになっていて見通しが悪かった事と内部離合が不可能な狭さがネックとなっての新しいトンネルが必要だったのだろうか?理由はそれだけではないような気がした。

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こちら側は全く山水が流れ込んでいない上日当りが良く植物が育たないのだろう。反対側のジメジメとした万年日陰のような場所とは大違いで路面は現状でも即使用に耐えうる程であるが、それでも完全に管理を放棄された道は遅かれ早かれ朽ち果てて行く運命にある。それは現道との合流地点を見れば一目瞭然であった。土伏隧道出口付近だけが今もって開けて

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いただけで、現道から見る旧道は路面のほとんどを草によって侵食され消え失せる寸前である事が分かる。ガードレール脇を突破し湿地帯を抜け隧道へ突っ込み再び現道へ合流する。たったこれだけの事で距離にしてもたいした事はないのだがとても厳しい。現トンネルでさえ今にも草木に呑込まれそうで自然の猛威を感じずにはいられない物件であった。

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