ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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初和隧道

 

初和隧道の取扱説明書

現道のトンネル名称が中和トンネルなので当初中和隧道かと思ったが扁額には初和隧道と刻まれていた。この界隈では最も安易に通行可能な旧国道の遺構である。

 

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湯原湖付近のこの国道が現道に切り替わったのと同時に数箇所の旧廃隧道が誕生し、その筆頭が現在は通り抜けする事が叶わない、封鎖されてしまった廃隧道熊居峠隧道である事は既に報告書に起こしてある訳だが熊居峠へ向かう途中にある馬背隧道は、かろうじて許可を得れば通行可能な隧道として存在していた訳だが、それらと比べて何の許可も

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必要なく通年通行可能な隧道がある。それが初和隧道だ。熊居峠隧道は内部への潜入が不可能な為金網越しに見える光景から推察するしかなかった。馬背隧道は作業車両が往来する合間を縫っての忙しい状況下と砂埃にまみれての極悪条件の下での取材となった訳だが、ここ初和隧道だけは違った。国道同士の交差点から始まる旧道は初和隧道を抜けて

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再び現道とクロスする。そこまでは現在も何の規制も敷かれておらず、誰でも通行する事が出来る。もっとも旧道には観光的施設の類は皆無で明らかに目的を持っての進入でないと面白くもなんともない行程である。湯原湖へ面している事から釣り人の姿を見掛ける程度でこの旧道へ間違って入って来る者などまずいない。我々のような旧道探索者でさえも

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トンネルに興味がなければ、他には何も無いと言っていい。おにぎりも無ければ、それに準ずる看板類も全て撤去されていて、ここがかつて国道であった痕跡は僅かに残るポールと2車線幅の舗装路くらいなものか。つまり初和隧道を除くと煮ても焼いても食えない道という事だ。ところがトンネルに興味を持つ者にとってはなかなか手応えのある物件だ。

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初和隧道は坑門の基本ラインのみコンクリでパッキングされ、その他大部分は噴き付けの薄化粧となっている。内部は凹凸の激しいテボッチャーのままである。この状態では素人目に見ても大型車同士の内部離合は厳しかったと思われる。現トンネルである中和第一、第二の二つのトンネルが開通したのが19916月であるから、それまでは

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このルートを当たり前のように車両が往来していた訳で、現在のトンネルも歩行者用通路が確保されていない為お世辞にも広いとは言えないのだが初和隧道を始め前途した隧道群の狭さと比較すると自動車の都合だけを考えれば良しとすれど、やはりチャリ歩行者の事も少しは考慮すべきだったのではないかと思うが今となっては後の祭りである。

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熊居峠隧道区間はチャリ歩行者にとって危険極まりないが、中和第一第二トンネルに関してはこの初和隧道のある旧道によって安心して迂回する事ができる。その点を知ってか知らずか現在でも一般開放され管理もされているようであるが、この旧道は一般車にとっては全くメリットの無い道であってもチャリ歩行者にとっては充分意義のある道として機能している。

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