ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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帝釈峡隧道

★★★

 

帝釈峡隧道の取扱説明書

19878月帝釈峡トンネルの開通に伴い帝釈峡隧道は旧道と化した。仲良く並ぶ形で現存し結論から言えば今でも通り抜け可能だ。普通車同士の離合が可能であった事は内部に停めてある車から判断が付く。しかし兎にも角にも帝釈峡隧道は隧道の歴史に新たな金字塔を打ち立てるには充分なインパクトで僕を迎え入れた。それでは衝撃の光景その一部始終を皆様にもご覧頂こう。

 

帝釈峡隧道

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帝釈峡、これまで一度も訪れた事はなく、いったいどんな所なのか全く見当もつかないが、これまで見てきた景勝地と比較しても遜色はないかそれ以上であろう事は地図からも想像に難くない。この日朝から降り続いた雨も帝釈峡に近付くにつれ次第に小雨になり目的地に到着した頃には雨はすっかり上がっていた。天気のせいか広大な駐車場には

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車が片手で足りる程しか停まっておらず、名勝と呼ばれる帝釈峡だけあって観光バスが連なりジジババダンサーズが年金垂れ流しでこの世の春を謳歌している行楽地特有の光景を想像していたが、余りのギャップに少々拍子抜けしてしまった。もっとも帝釈峡トンネルの脇にポツンとある小さな穴が旧道である事はすぐに理解し、観光客の少なさに

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取材はスムースに進みそうで、到着するや否やすぐさま臨戦態勢に入った。駐車場脇を行く歩行者通路のようになっている旧道であるが帝釈峡トンネルが完成するまではここが立派な県道であった訳だ。元々法面すれすれを走っていたと思われる旧道であるが帝釈峡トンネルとそれに伴う引き込み区間だけでも随分と大規模に削り取られたであろう山の斜面を

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見ても元からずっとそのような形をしていたかのような錯覚に陥るから不思議だ。帝釈峡隧道は僕好みのかまぼこ型で、この旧道上のどの隧道にも言える事だが扁額は設置されていない。内部も滑らかなコンクリ仕様で進入してすぐに左にカーブしていて現役時は見通しの悪さに苦労したはずだ。そしてこの後出口を見た瞬間とんでもない物が視界に入った。

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隧道内に設置された自販機である。みんな落ち着いてくれ、確かにこのような物件に遭遇した事はない。しかも旧隧道の内部に設置されている。雨天時の購入し易さという点ではとても優れた設置場所ではある。ただし問題は稼動しているのかどうかだ。恐る恐る近付きモーター音を拾い、動いているのを確認、やつは生きていた。次に購入可能なのかどうかだ。

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10円玉を一枚入れてみる。何故10円かと言うと、もし吸い込まれて二度と戻って来なかった場合被害を最小限に食い止めつつもコイン投入を感知したランプが点灯するかどうかを測る上で最も有効な手段であると判断したからだ。僕の指から放たれた10円玉は勢い良く自販機へと吸い込まれた。そして次の瞬間購入ボタンが一斉点灯した!動いている。

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ホンモノだ!頭の中でロッキーのエンディングテーマが流れ僕は思わずエルドリア〜ン!と叫んでいた。帝釈峡トンネルとの合流地点に抜けてからも興奮はまだ収まっていなかった。尚一連の検証作業を旅館の仲居さんが冷めた目でじーっと見ていたのは言うまでもない。蛇足だが貴重な財源である基金から投入された10円玉は無事回収する事に成功している。

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