ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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神竜隧道

 

神竜の取扱説明書

神竜トンネルの開通が198312月だから神竜隧道が現役を退いてから既に20年以上が経過している事になる。帝釈峡の旧隧道群で唯一封鎖されている神竜隧道は封鎖せねばならない確固たる理由があった。その理由さえなければ他の隧道同様そのまま使われていたはずだ。尚現トンネル名は神竜で銘板にもそう記されているが、扁額は何故か神龍トンネルとなっている。

 

神竜隧道

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帝釈峡に連発するトンネル群はどれもユニークな形状をしている。神竜トンネルをご覧頂いて分かると思うが、坑門は何故か石組みになっている。コンクリありきのご時世にしては奇抜な構造をしている。勿論内部はコンクリを使用しているが、坑門は特徴を持たせ差別化を図りたかったのか、デザインには凝っている。歩道は広く内部は実質3車線幅がありその断面は

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かなり広い。その脇とても小さな隧道があるが、それが先代の神竜隧道だ。たまたま駐車車両があったのでかつての交通状況が垣間見られ、普通車同士の離合は楽勝な幅員であった事が分かる。神竜隧道も帝釈峡に他の隧道と同じで大型車に来られてはひとたまりもないが、普通車同士の内部離合は果たせていたようだ。石垣に導かれた先に佇む神竜隧道は既に

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封鎖されており、帝釈峡の旧隧道では唯一通り抜け不可の廃隧道という事になる。坑門は笠石のみという実にシンプルなコンクリ隧道である。扁額さえ備わっておらず、かまぼこ型はこの界隈でごく一般的な形状をしている。行政が設置したというよりは民間に払い下げられ、個人が手作りで設置したような木製ゲートにて内部への進入を拒んでいる。

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扉が付いているので何かに利用されているのだろう。覗けばそこには竜がいた。流石神竜隧道だけの事はある。的は外していない。恐らく祭りのような行事で使用するのだろう。隧道奥はテボッチャーとなっているが向こう側からの光は確認できない。閉経しているのだろうか?しかし現トンネルは出口の明かりが見えているので距離はそうないはずだから

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閉経していると考えるのが自然だ。いったい反対側はどうなっているのだろうか?早速向かってみる。現道はトンネルを抜けると巨大な橋が架かり眼下にはエメラルドグリーンの水を湛えた神竜湖があった。そこには神竜隧道坑門が確かにあった、断崖に浮かぶ形で。なんと断崖に開いた坑門より先に通ずるはずの橋が撤去され、坑門のみが取り残されている。

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これは不気味だ。橋を失った坑門はいったい何の為にそこに存在しているのか不思議で仕方ないシチューエーションであり、何故穴が開けられたのか意味が分からない状態に身震いさえ憶える。新旧切り替えの頃は2本の橋が仲良く並んでいたはず。しかし今は跡形もなく旧橋は失われている。いったいいつ頃撤去されたのだろうか?紅葉橋は橋脚を持たない橋で

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直接対岸に渡しており、旧道も恐らく橋脚を持っていなかったはずだ。橋を架けるのも大変だが撤去もそれなりに大変だと思われる。景勝地の真只中で廃橋はイメージを損なうお荷物でしかなく、新紅葉橋に歩道が設けられている事から旧橋を残す考えは全く無かったのだろう。美観を損なう事なく橋の付け替えには成功したものの不気味な穴が残ったのは誤算か?

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