ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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上灘隧道

★★★

 

上灘隧道の取扱説明書

上灘隧道は愛媛が誇るシーサイドラインに眠るお宝隧道で、その形状はこれまで見てきたどの隧道にも該当せずレア度は非常に高いのだが、意見は賛否両論となるだろう。

 

上灘隧道

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日本でも有数のシーサイドラインである夕やけ小やけラインから見る伊予灘は夕刻に訪れるのがベストだが日中でも瀬戸内に浮かぶ大小の島々による風光明媚な景色に気分はいつになく上々だ。一見隧道などありそうにないこの海岸線にひっそりとお宝隧道は眠っている。リンク先ツーリングしましょ。の管理人ことマフ巻き氏に案内して頂き

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取材に至ったこの物件も、当初取材リストにも入っていなければその存在さえも知らず、氏の協力がなければ恐らく当分の間は全く気付く事はなかったであろう。現にこれまで何度もこの国道を通っておきながら全く気付いていないのである。氏の華麗なる道路捌きによって例の如く、どこをどう走ったのか全く分からず、気付けば現場に到着していた。

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早速現場検証を開始する。が、いきなり出鼻をくじかれる。垂れ下がった植物が邪魔で坑門の全体像が拝めないではないか。状態を説明すると上灘隧道の坑門は四角形である。それもかなり正方形に近い。扁額は不明で完全な石組みである。オール石組みというだけでも珍しい貴重な物件であるがそれプラス正方形という点でかなりレアだ。ところがだ、中は

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とんでもない事になっていたのだ。なんと上灘隧道は四角い隧道とアーチ型隧道の合作であった。これは面白い。四角い隧道の石とアーチ型隧道の石は色が全く違い、どうやら種類が異なるようだ。これは竣工時からこのような形状をしていたのか、それともどちらかが後付けでドッキングさせたのだろうか?いずれにしてもこのような形状をした隧道を

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これまで見た事がなく、全国的にも珍しいかなりの優良物件であると言える。更に上灘隧道のアーチ型の天井部は石組みではなくレンガ巻きであった。レンガえーんど石組みえーんど四角型えーんどアーチ型という造りで良く言えば豪華絢爛、悪く言えばごった煮またはチャンポンで上灘隧道の評価は人によって大きく意見が分かれる非常に難儀な物件である。

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こちら側の坑門は下部が石組み、上部はレンガでリングアーチは勿論石組みで扁額は不明、細いながらも門柱と上部の帯石まで備わっていて小さいながらも随分立派な装飾が施され上灘隧道への意気込みが感じられる坑門である。アーチ型の隧道が初代上灘隧道の純粋な姿で、四角い石組み隧道が後付けで延長されたと考えるのが妥当だと思われるが、

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確たる証拠はなくあくまで想像の域を出ない。普通車同士の内部離合は不可能でバス1台がピッタリサイズの上灘隧道は全く目立たない箇所に隠れるようにして佇んでおり、現在は2車線の快適なクルージングロードと化しているこの国道にまさかこんなお宝隧道が眠っているとは夢にも思わなんだ。このような優良物件に案内して頂いた氏には感謝したい。

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