ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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辰野隧道

 

辰野隧道の取扱説明書

県南の宇和海に面した海岸線は大方がリアス式であり、山深い四国のイメージを払拭するほど海岸線を正確になぞる狭路が果てしなく続く。養殖水産業が盛んで港町として古くから栄えた南予の中心都市宇和島。そこから西南へ約10kmの地点に辰野隧道は口を開ける。三浦半島を周回する県道37号宇和島下波津島線は近年改良が著しく、鄙びた漁村を繋ぐ狭路も徐々に解消されつつある。水産業で生計を立てる地域住民にとって待望の新トンネルが2004年にオープンし、今はひっそりと余生を送る辰野隧道の今を御覧頂こう。

 

辰野隧道

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僕がここへ来た理由、それは辰野隧道ではなく目的は全く別の場所にあった。今回のターゲットは辰野越に開く第三の穴である。ツーリングマップル中国・四国版によると、問題の穴は辰野隧道の右斜め前方に描かれている。画面中央に新辰野トンネルの坑門が微かに顔を覗かせ、その頭上を旧道が横切っているが、第三の

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穴は画面の右上付近の稜線を越えた先にあると地図は語る。辰野越第三の穴が突如地図上に姿を現したのは2004年の春。デジタル化に伴い国土地理院の地形図にも記載のない小さな穴が、点線道と共に市販の地図上に姿を現したのだからさあ大変。もしも地図上に小さく描かれるその穴が初代辰野隧道であるならば

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想像以上のお宝隧道に違いない。しかも点線ときているから車両の通行を許さぬ激狭隧道の可能性も否定できない。僕は虎視眈々と機を伺っていた。明治隧道かそれとも江戸ッチャーか?2007年度版でも相変わらず消滅せずに存在を主張し続けるその穴を本物と睨み遂に重い腰を上げ現場に急行した。まずは旧道化

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して日が浅い辰野隧道から攻める。1.5〜2車線を断続的に繰り返す旧道は狭路が売りの四国にしては割と広めの印象である。つい最近まで路線バスもここを通っており、軽自動車同士ならば内部離合も可能な幅員を持つ。定年を迎えた辰野隧道は今でも照明が灯る。新辰野トンネルは歩道を完備するも充分な幅がなく

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歩行者用として開放しているのだろう。辰野隧道内でキャッキャとはしゃぐ幼稚園児の一団とすれ違った。洞内での撮影中もヘナリワンに興味津津の園児一堂。すれ違い様に先を急ごうとする先生を無視し、園児達がおじさんここで何してるの?この箱何入ってるの?とかこともあろうかこの僕に向ってガキどもが職質をしてくるので

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そんなの関係ねー!と一蹴すると逆にハイ、おっぱっぴー!とハモられた上に、変なおじさんだ危ない逃げろ!とクソガキの誰かが発した鶴の一声で皆が一斉にキャーキャー言いながら出口へ向かって猛ダッシュし始め、なんと引率の若い女の先生までもがトゥギャザーして遠ざかりゆく姿に最早成す術はなく、一瞬にして僕は

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犯罪者扱いである。頭の中では中島みゆきの世情が流れ、パトカーにも過敏に反応してしまう始末。これまで無関係と思っていた痴漢に注意の立て看板も誰?俺?みーたーいーな。ブロークンハートを引き摺ったまま第三の穴の聞き取り調査を行った所、そんなのありゃせんと一笑され、踏んだり蹴ったりの辰野隧道であった。

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