ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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舟ヶ谷隧道

 

舟ヶ谷隧道の取扱説明書

手持ちの地図には掲載されておらず偶然発見した小さな隧道である舟ヶ谷隧道はこの国道がかつてどれほど厳しい行程であったかを教えてくれる貴重な物件である。

 

舟ヶ谷隧道

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オープンカットのカーブ脇に何やら怪しい未舗装路が伸びていた。勿論それがこの道の旧道である事は状況から瞬間的に判断が付くが鬱蒼とした森となっていて薄気味悪く近づく気にもなれないばかりかその必要性も感じられない。このような怪しい箇所は全国に五万と存在しこのような箇所を全てチェックしていたらきりが

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ない。しかし一度通り過ぎたヘナリワンのバックミラーにはしっかりと穴らしきモノが映っていたのだ。すぐにUターンし旧道へ突っ込んでみるとそこにはしっかりと穴が開いていた。薄暗い未舗装路を直進すると45度右へ急激に曲がった所に突かれた隧道はこの道がいかに険しい道であったかを物語るには充分だ。坑門手前は

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何とか対向車を交わす幅員が確保されているが、ひとつひとつの隧道でいちいち対向車を意識しなければならない事はかなりの苦痛を伴う。林道のような山道を国道指定しまったのだから仕方がないと言われればそれまでだが、このような旧道を見るたびに昔のドライバーはさぞかし大変だった事と思う。坑門は岩盤に厚化粧を

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施し僅かにコンクリの坑門である事をアピールしている訳だが、コンクリの型枠を無理矢理はめ込んだと言った方が正しい形状でなんだか不自然だ。舟ヶ谷隧道は距離が短い割には出入口のみコンクリで覆われていて内部のほとんどは荒削りの岩盤剥き出しという状態は予算不足からケチった結果なのか、せめて坑門だけでも

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装飾し、手抜きと言われないように頑張ってみたのかは分からない。隅には資材が隙間なく置かれおまけに内部は水没していて歩行での通過は困難である。最も車両での通過は楽勝であるが。こちら側の坑門は岩盤に合わせるようにナチュラルに調和している姿に違和感は全くない。両坑門共に扁額が外されたのか枠だけが残っていた。

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現在はオープンカットにて緩やかなカーブを描き、底度を落とす事なくスムースなドライブが可能な線形となっているが、かつて道は谷沿いすれすれを通しており川の線形に合わせ蛇行する断崖の道で現在のようにスピード重視ではない為効率の悪さこの上ないが、それだけ時間に追われる事のない時代であったのだろう。

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安全性とスピードを重視する時代になり快適なったとは言えるが何か大事な物を失っているような気がしてならない。役目を終えた舟ヶ谷隧道は今でも閉ざされる事なく現道を見つめ続けている。

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