ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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大比隧道

 

大比隧道の取扱説明書

大比トンネルの開通が198910月だから大比隧道が封鎖されてから随分時が経つ訳だが長い年月をかけて完全に法面と一体化しあやわ気づかずに通り過ぎてしまう所であった。

 

大比隧道

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四ッ足峠へ向かう途中大比トンネルに差し掛かった瞬間視界に妙なものが飛び込んできた。歩道のカラフルなガードレールに対し、やけに古い壁だな。普通はその程度だろう。否大多数の人は気にも留めないのが普通だ。僕もあれが目に入らなければ緊急停車する事もなかっただろう。高速巡航する僕の視界に入ったもの、それは紛れもない扁額のようなものが

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壁に埋め込まれているように見えたのだ。確証は得られない。何しろ取材リストにも入っていないし大比隧道という存在そのものを知らないのだから。減速する事なく僕はそのまま大比トンネルへと吸い込まれた。トンネル通過中も先程視界に入ったものが気になって仕方なかった。大比トンネルを抜けた地点で走りながらもチラっと周囲を見回した。

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もしかしたら先程見たものが隧道であるならばこちら側にも何等かの痕跡があるはずだと思ったからだ。こちら側で物証を得れば先程の気になったものが隧道の遺構である事が確定できるからだ。しかしそれらしきものは全く見当たらない。僕がそのまま通り過ぎようとした瞬間、何やら現道に吸い寄せられるようなアスファルトの残骸のようなものが目に入った。

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緊急停車だ。それは本当に些細な痕跡であった。ほとんど原型は留めておらずすっちゃかめっちゃかに改良されまくり、最早無かった事に等しかった。しかし僕はその痕跡を見逃す訳には行かなかった。詳細な調査を開始する前にまずは先程みたものは何だったのかをはっきりさせようと、再び大比トンネルを潜った。そこには壁のように見えるが

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封鎖された大比隧道である事は残された扁額によって確定された。扁額より下は分厚いコンクリの壁により密閉され、そこには苔がびっしりと張り付き壁と表現しても全く差し支えない状態となっていたのだ。パッと見普通車同士の離合がギリギリガールズもしくはミラーを折りたたんでのシェイプアップガールズでの通行を余技なくされ大型車が来ようものなら

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たちまち通行が滞るような狭さであったと想像できる幅員だ。扁額付近に僅かに残された遺構の断片からは坑門はコンクリで覆われていて内部はテボッチャーでコンクリ噴き付けだったのではないかと予測する。完全に閉ざされた現状からは想像するしかなく、あとは生き証人に頼みだ。大比隧道と確定できた反対側と違い旧道の線形らしきものが残る

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こちら側は完全に証拠隠滅され現場検証は困難を極めた。しかし反対側に坑門が残っている以上こちら側にも何等かの遺構が残っていないと不自然だ。大比トンネルを抜けた脇の不自然な立地条件の土地に建造物があるが恐らくそこに大比隧道があったのではないか。証拠隠滅による完全犯罪に近い大比隧道封印事件は被疑者不在のまま書類送検し一応の解決を見た。

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