ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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府殿隧道

★★

 

府殿隧道の取扱説明書

19917月府殿トンネルが完成するがそれまで使われていた府殿隧道は現代人が想像する国道トンネルの常識を大きく逸脱する姿をしていた。現在でも通行可能であり今後も大きな落盤などなければ現役続行は間違いない。

 

府殿隧道

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瀬戸内海と太平洋を結びいくつもの峠を越えるこの国道に十二弟子峠という何とも意味深な名称の峠がある。後にそこでこの世のものとは思えない強烈隧道と出会う訳だが、そこへ至る過程で偶然発見したのがこの府殿隧道だ。府殿トンネルに差し掛かった時、その真新しさとモロに怪しい引き込み線はどう見ても旧道であり、僕は確信を持って細道へ向かった。

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府殿隧道だ。余りにもあっけなく発見に至ったため少々拍子抜けしてしまった。今でこそ府殿隧道坑口手前から派生している林道に主役の座は明け渡しているが、その昔は国道として長年に渡って機能していた訳で本来の主権は府殿隧道にある。ミラーは取り外される事なく今でも設置されたままであり、かつては広めに取られた林道との分岐で対向車を

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やり過ごしていたのだろう。現在では便利な府殿トンネルがある以上、不便な府殿隧道の存在意義は全く無いに等しい。しかし今でも封鎖されずに通行可能であるという事は落盤などの危険もなく安全性が確認されているからこそ通行可能なのだろう。放置されている訳ではなく管理されている事は現場の様子から明白で府殿隧道は廃隧道ではなく旧隧道として

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今でも何者かによって管理され利用されている事は間違いない。坑口は全く荒削りでコンクリ噴き付け以外一切の装飾は施されておらず、国道の隧道にしてはヤバ過ぎる部類に入る訳だが四国では最早当たり前と言った感がある。内部には当然照明など設置されていないが距離が短いので恐怖感はほとんどない。隧道というよりは鍾乳洞に近く

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社会化見学的な気分である。大型車に対応しているのか高さにはかなり余裕を持った造りだが幅員は車1台がやっとの狭さで歩行者とのすれ違いもままならない程だ。こちら側の坑口はさらに天然に近い状態で内部の白く見えるのがコンクリ噴き付けが施された部分でその他は岩盤削り出しのままで坑門と呼べる代物ではない。これで国道の隧道だったのだから

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たいしたものだ。坑口を抜けると幅員が想像以上に広く取られていて、ここで余裕を持って対向車を交わせていたようだ。この位置からでも何か怪しい場所へ吸い込まれてしまうのではないかと錯覚してしまう面持ちの府殿隧道。歩道に転用されるでもなく封鎖されるでもなく現役時と何等変わらぬ様子でそこに佇む姿はこれから先もずっと変わらないだろう。

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旧道は緩めのクランク状になっている上完全1車線である為、どうしても一旦停止する形を余儀なくされるが、現道は取り付けも含めて緩やかな2車線の快走路となっていて周辺の住民にとってはどれほど便利になった事だろう。府殿隧道を抜けてからしばらくは現道と並走しやがて自然な形で合流となる。

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