ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>隧道電撃ネットワーク>北九州>大分>笹無田隧道

笹無田隧道

 

笹無田隧道の取扱説明書

新旧並んだトンネルはこの国道を通過するたびに視界に入り、しかも特徴のない無機質なコンクリの笹無田隧道単体では全く評価に値しないのだが、現地を訪れれば意外な周囲の状況に圧倒されるに違いない。

 

笹無田隧道1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

滝廉太郎の荒城の月や水の都であると同時にレンコンの町とも言われる程トンネルだらけの町を通る国道でドライバーの視界に否応無く飛び込んでくるのがこの笹無田隧道だ。トンネルが新旧仲良く並んでいる事で誰もがその存在に気付いているはずだが、それを意識している人はほとんどいない。現在は歩行者用通路として利用されているのだろう

笹無田隧道2/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

車止めが施されている。坑門はいたってシンプルな造りでこれと言った特徴はなく旧道でなければ当サイトで取り扱うような物件ではない。現役でもテボッチャーが多い大分県にしては珍しく旧トンネルのくせにその姿は余りにも立派だ。笹無田トンネルが完成する直前まで改修に次ぐ改修を受けたのだろうか?センターラインが消されたのか元から無かったのか

笹無田隧道3/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

分からないが、大型車の内部離合は困難であったようだ。勿論歩行者の事など全く考えられてはいない。今でも現役時代の制限標識がそのまま残っていて、この町を通過する国道で最も交通量のあるこの道に、この狭い笹無田隧道ひとつで自動車は勿論歩行者やチャリも一緒に捌くには限界があったのは誰の目から見ても明らかである。

笹無田隧道4/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

現在は完全に歩行者用通路として開放されており、地域住民が危険な目に遭う事はない。このように旧トンネルを歩道用に転用するのは資源を有効に活用する面やコスト面からも大変有効で、わざわざ歩道用トンネルを新たに設けている昨今、旧道を封鎖する前に是非一度検討してもらいたいものである。勿論我々道路探索者からすれば道路遺構が

笹無田隧道5/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

そのままの姿で保存され第二の人生を歩む事は大歓迎で、当時の土木技術を知る上でも近代の交通史を語る上でも大変重要な事である。また災害などにより本線が通行止となった場合の緊急迂回路と成り得る点も見逃してはならない大事なメリットだ。笹無田隧道なら普通車同士の離合は勿論大型車と普通車の離合までならこなしてくれる。緊急用としては

笹無田隧道6/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

必要にして充分な機能を果たすであろう。崩落の危険性がある物件は仕方ないにしても、そうでないのなら是非再利用を検討して頂きたいものである。笹無田隧道を抜けるとすぐに橋が架かっていてこれまた古い型で廃橋ファンには堪らない物件である。それでも石橋が多く残る大分県においてはこれ位の橋でいちいち驚いていられない。新旧並んだ

笹無田隧道7/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

笹無田トンネルを抜けると現国道の橋、旧国道の橋、JRの鉄橋、文化財に指定されている水路の石橋、その奥には旧旧国道であろうか?これまた文化財級の石橋が一堂に会する時代を隔てた新旧アーチのオンパレードに誰もが圧倒される事だろう。僕の中でこの光景は通潤橋の放水を遥かに凌駕するインパクトであった事をもって本日の授業は終了とする。

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ