ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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井の内隧道

 

井の内隧道の取扱説明書

新井の内トンネルが完成したのが19952月だから、かれこれ10年近く経つ訳だ。旧道は今でも健在で目の前に現れた井の内隧道は僕の中の主要県道の隧道のイメージを大きく逸脱した姿をしていた。果たしてそのお姿とは。

 

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三国峠越えと中ノ谷峠越えの両国道に挟まれる形で南北に延びる県道も全行程の約半分近くの拡幅改良工事が進み、快適な2車線路となっているがかつての状況はとても主要県道と呼べる状態ではなかったようだ。現在でも石峠山付近を越える峠区間が舗装化しただけの状態で放置されていて厳しい行程であった事が体感できる。近年並走する林道に

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立派なトンネルが掘られ、しかも全線2車線舗装化の行政が俗に言うスーパー林道と化してしまい山ひとつ隔てた場所にそんな立派な道路があるもんだから、すっかり県道の存在意義が薄れてしまっている。林道に突かれた楯ヶ城トンネルからは水が溢れ出しこれがまた旨いと評判で新聞にも掲載され、遠方からわざわざ水を汲みに来る程だ。

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それでも覇権を林道に奪われたこの主要県道も新井の内トンネルを中心とする高規格道路によって完全に生まれ変わっている。人家が全く無い深い山中にして交通量皆無の立派な2車線路は違和感ありまくりであった。旧道へ突入すると現道とは雲泥の差で、きつい勾配に見通しの悪い1.5車線と条件は最悪だ。稜線が目前に迫った所でほぼ直角に曲がった先に

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井の内隧道はあった。完全なるテボッチャーで薄化粧はされているものの坑門には扁額が無いのは勿論一切の装飾は成されていない。かつてこの県道がどれ程のものであったのかが井の内隧道だけで説明がつく。切り通しにしても良かったのではないかと思える程鞍部は手の届きそうな場所にあり、土地絡みの問題があるのだろうか?井の内隧道の中央部に

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一体のお地蔵様が祀ってあった。隧道手前で直角に曲がっている線形から、井の内隧道に対する旧道は他に有り得ない地形で、井の内隧道はかなり古くから使われていたと考えられる。車同士の内部離合は不可能だが両側に待避所となるような幅が確保されているので、現役時はこの隧道ひとつで捌けていたのだろう。旧道となった今はここを通る車も

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無いと思われるが電線が現在でも旧道を通している為保守点検には訪れるはずで、封鎖される事もなく現在に至っている。人口樹林とは言え杉林の気分の良い道で対向車がいない現在は旧道派にもオススメできる道である。これが主要県道の実態であるが現道の交通量もほとんどない道に立派な2車線路が果たして必要であったのかどうかは疑わしい。

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ただ、高齢化社会を迎えた日本の過疎地で救急搬送が多くなると予想される中、人口が少なくとも、普段の交通量は皆無に等しくともこのような立派な道路があるおかげでスピーディーな搬送が可能となる事は海の向こうのスティービーも納得しているに違いない。

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