ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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藤ノ木隧道

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藤ノ木隧道の取扱説明書

国東半島の国道沿いに点在する旧廃隧道は数あれど、現在でもドライバーが直接目にする事のできる旧廃隧道群の中で最も強烈な物件がこの藤ノ木隧道だ。

 

藤ノ木隧道

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国東半島の国道沿いに点在する旧廃隧道は多く、現在でも沿道にその多くを目にする事ができる。旧廃隧道群の中で現道に最も接近する強烈物件が藤ノ木隧道だ。小迫トンネルを抜けるとまず視界に入るのが藤ノ木隧道である。そのまま直進すると当然藤ノ木隧道に突っ込んでしまう。だが現道は直前で斜め左へと進路と取り、藤ノ木隧道をまんまと回避してしまう。

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つまりこういう事だ。かつての小迫隧道と藤ノ木隧道の関係は直線上に連続して突かれた事で、お互いが向き合う形となっていた。例えるなら小迫隧道が上司で藤ノ木隧道は部下、この二人は社内では秘密の不倫関係にあった。時が過ぎ二人の間もぎくしゃくし始めた頃、若くて綺麗な子が進入社員として小迫の部署に入ってくる。それが藤ノ木トンネルである。

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上司はさっそく新人の部下に手を出しあっさりと乗り換えてしまう。若い子に乗り換えた小迫はそれに併せるかのように服装も派手になった。つまり小迫隧道から小迫トンネルへと生まれ変わった訳だ。こうして二人の新たな関係は現在でも続いており、ひとり取り残されたお局様はどんどん老けていき、取り返しのつかない状態にまで陥る。怨霊の館と化した

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藤ノ木隧道は物凄い威圧感を持って我々を迎え入れる。正直内部への単独潜入はきつい。藤ノ木トンネルと藤ノ木隧道が並んでいる画像をご覧頂ければ分かるが藤ノ木隧道が極端に小さいという訳ではない。むしろ国東半島に残る旧廃隧道群の中では広い方に属する。なのに怖過ぎるのは自然と一体化しほら穴のようにしか見えない坑門のせいだ。しっかりとした

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コンクリ製であるにも拘らず、完全に森の一部と化してしまった藤ノ木隧道の内部はテボッチャーであるが狭いとは感じず、普通車同士の内部離合は許していたようだ。距離はそこそこあり現役時代は照明も点いていた可能性が高いが現在は完全な暗黒の世界と化している。反対側の坑門は自然の猛威にさらされる事なく現役時に近い状態で無事であった。

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密度の濃い木々に遮られ日の光が届き難く植物が育ち難い環境であった事が影響しているようだ。今でも度胸さえあれば通り抜け可能な藤ノ木隧道であるが、国東半島に現存する隧道群の大半が最低限の整備を成され、チャリや歩行者や一部の地元車両に解放されているのに、藤ノ木隧道だけが早々と廃棄されてしまったのは不思議である。しかし待てよ、

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何を持って廃棄されたと結論付けられるのだろうか?両坑口共に何も規制されておらず、車での通り抜けも可能である以上おぞましい坑門だけで判断を下すのは間違っているのではないか。もしかしたら部外者である我々だけが異常に反応しているに過ぎず、現地人は何事もなかったかのように、今日もお局隧道を通行している可能性が充分にあるのだ。

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