ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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桜隧道(桜峠)

★★★

 

桜隧道(桜峠)の前説

意外な場所にお宝隧道が眠っていた。山奥にしては交通量の多い桜峠にひっそりと石組みの隧道が存在していた。桜峠に新トンネルを造ってもいいはずだがその兆候は全く見られず当分の間桜隧道は現役隧道として活躍するようだ。

 

桜隧道(桜峠)

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

耶馬溪の朝はやばい。朝っぱらから目の覚めるような物件に出くわすとは思いもよらなんだ。これまで大分県の物件を数多く見てきて、もうそろそろ打ち止めではないかと思った矢先、この優良物件である。これまで当路線は何度か行き来しているが、まじまじと桜隧道を拝む事はなかった。能面のようなコンクリトンネルではなく、凝った意匠である事だけは薄々気付いてはいたが、このたびやっと堪能する機会を得た。

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遠目からでもポータルは明らかな凹凸があり、表面には走る無数の目地が、ガチガチのコンクリ隧道でない事を物語る。植林されてから数十年は経ているであろう丈のある杉林に覆われ、それらに包み隠されるように桜隧道は峠に佇んでいた。鞍部は路上から全く見えず桜峠に隧道を突く事は必然であった事が理解できる。

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掘割には石垣が設けられ一度も落とされる事のない苔がびっしりと覆い、古い隧道を更に古さ1.5割増しにしている。坑門表面は板チョコのように綺麗に配置された石組みでリングアーチも石組み、最上部の帯だけがコンクリのようだ。勿論継ぎ目はコンクリで埋めてあるようだが、これまで大分県で見てきた隧道の中で桜隧道は随分立派な部類に入る。

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内部に目を転じると坑口付近は滑らかなコンクリで覆われるも、中心部はテボッチャーにコンクリ噴き付けであった。1.5車線の狭い幅員は普通車同士の内部離合ができそうでできず、何とかなると急を要している者やチャレンジャー同士が偶然はちあった場合は危険な情事山本状態に陥る事は容易に想像がつく。

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現場では対向車がどれも坑門前で待機していた事から恐らく内部離合は困難だろう。決して不可能という事はないのだが、正直路線バス1台がピッタリサイズであり、勿論この道に路線バスは走っていないのだがこれまで見てきた感じから、そう伝えるのが的を得ているかと思われる。

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桜隧道は距離が長くもなく短くもない中途半端な長さなのだが、照明は竣工時から設置されていなかったようだ。歩行者の事を考えたら中央部に1箇所程度は点灯しててもいいのではないかと思うが、桜峠を越える歩行者は皆無に等しいのだろう。こちら側の坑門も反対側と瓜二つで、全く傷んでいる所がなくこのままの状態でまだ何年も持ち堪えられそうだ。

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扁額には桜隧道の文字をはっきりと読み取る事が出来る。昭和初期の雰囲気が漂う桜隧道への道は随分改良が行われてきたが今もって1.5車線の狭い区間が半分程度を占めており、特にこの桜峠の区間に関しては全く手を付けられておらず交通量の多さから新トンネルを造る必要に迫られていると思うのだが、その兆しは今の所全く見られない。

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