ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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岡城隧道

 

岡城隧道の取扱説明書

隧道王国大分において歴史的な背景はさておき、とにかく隧道の多い町は?と尋ねられ場合、最初に思い起こすのは名水の里竹田をおいて他にない。石を投げれば隧道に当たるというほどこの町で隧道を目にしない事はない。逆に言えば隧道を通らずに町中へ入る事はほぼ不可能なのだ。隧道好きというか穴への関心が異常に高い者が、安住の地を求めて全国を彷徨い歩いた挙句、最後に辿り着くのがここ竹田であると断言しても良いほど穴ネタには事欠かない。そんな穴の町に今日も新トンネルがせっせと掘られている。掘っても突いてもまだまだ掘り足りないのが実情のこの町に、今宵も新たな旧隧道が誕生した。その名を岡城隧道と言う。

 

岡城隧道

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別名レンコンの町と呼ばれるほど穴だらけのこの町に、近年相次いで旧隧道が誕生した。何度も通ったこの道も、今こうして違う角度から見てみると全く違う隧道に見えるから不思議だ。見ての通り岡城隧道は町中にある極普通の隧道だ。ここを何十回と行き来した現役時代、この道は常に大渋滞を引き起こし、できれば避けたい道であって、いつも嫌々通っていたような気がする。何故か?

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閲覧者にこの道がどう映っているかは分からないが、当路線はつい最近まで列記とした国道であった。正確に申せば旧道と化した今でも、国道指定を外された訳ではなく、地図上では今現在も赤線にてなぞられている。町から抜け出せば快適な2車線であるこの国道も、一歩町中へと入れば、センターラインの無いインチキ2車線というのが、この国道の偽らざる実態である。全ての国道は竹田へ

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通ずると言わんばかりに、この町では3本の国道が交差する。早々とバイパス化が完了した2本に最後まで遅れを取っていたのが、当路線だ。町中を迂回するバイパスが無い事によって、どうしても市街地へ突っ込むしか手立ては無かった。それは地元車両だけに留まらず、行楽客も含めた全ての車両に言える事で、とりわけ生活路線というより観光路線に等しいこの国道に、バイパスが

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存在しない事は致命的であった。岡城隧道の断面を見てもらえれば分かるように、普通車同士の離合は楽勝でこなしてしまうほどの大きさを誇るも、ひとたび大型車がやってくると、たちまち滞ってしまうのだ。マイナー県道であれば充分過ぎるほどの大断面も、国道のそれもローカルではあるが、観光路線であるこの道において、大型車同士の離合が不能、もっと言ってしまえば大型車と普通車の

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離合さえ神経を使わねばならぬほどの隧道では、大手を振って観光誘致さえままならず、当路線のバイパス化は急務であった。この路線を最も頻繁に通る大型車とは地元のダンプなどではない。ジジババダンサーズ御用達の大型観光バスなのだ。ここは通学路にもなっていて、チャリや歩行者も多い。そこを観光バスや路線バスが1日何十往復もするのだ。それも一方通行ではなく相互通行だ。

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岡城隧道内にも路側帯がくっきりはっきり敷かれている事から、朝夕の通勤通学時は福建省並みのチャリンコ軍団が押し寄せてくるはず。そこに何故か乳母車を引く老婆が牛歩戦術の如し超低速で、歩行者優先である事を毎朝アピールし、ただでさえ停車場へ向けて1車線並みと化した岡城隧道を、停車場とは逆方向に向かおうものなら、すれ違う全てのドライバーから、まるで逆走している

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かのような冷たい視線の集中砲火を浴び、岡城隧道を抜けた頃には普通の神経であれば、ほとんど廃人のようになっているはずだ。そんな状況も今は昔。時折地元車両が通り過ぎて行く程度の落ち着きを取り戻している。隧道脇の坂が旧道かと思ったが、反対側は階段になっており、現在の平凡な姿とは裏腹に、初代はテボッチャーであろう岡城隧道の歴史は、想像以上に古いのかも知れない。

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