ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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赤穂山隧道

 

赤穂山隧道の取扱説明書

この県道に赤穂山トンネルが完成したのが199412月であり、旧道化して10年も経っている事から塞がれてしまっているのを覚悟でこの地へやってきた。だが赤穂山隧道は何事もなかったかのように口を開けて待っていた。

 

赤穂山隧道

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旧道との分岐は誰がどう見ても疑いようのない状態で目の前に現れた。しかも何の規制も成されておらず、それは今でも現役であるかのようだった。旧道に入ると眼下を走る現道はすぐに右カーブにて新トンネルに吸い込まれた。旧道は赤穂山トンネル坑門上部をかすめ、今度は左カーブになり稜線が目前に迫り、峠越えするのではないか

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と思える程近づくと赤穂山隧道が現れた。幅広だった道も隧道手前では普通車同士でさえ離合不能な狭さとなり、新トンネルの必要性を感じさせた。赤穂山隧道は車1台が通れれば良い造りになっている事から交通量がいかに少なかったかが窺い知れる。坑門は一切の装飾が成されないシンプルな構造で全面コンクリにて覆われた

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無機質で味気ないハンター泣かせの姿ではあるが、テボッチャーでもおかしくはない年代の赤穂山隧道が凹凸のひとつもないシャープに研ぎ澄まされた内壁であった事は意外という他ない。九州管内で割りと多く見られる物件は坑門のみ装飾し内部はテボッチャーというものだ。しかし赤穂山隧道は隧道と言うよりは明らかに

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現代のトンネルと呼べる代物である。新トンネルの予算が付かなかった場合まだ当分の間は現役で供用するつもりだったのかも知れない。旧道化して10年が経過した今尚蛍光灯が点灯している事から赤穂山隧道は現役を退いた訳ではなく何者かによって利用され続けているのだ。坑門脇にゴムパイプにより引かれてきた山水が

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勢い良く噴出し、コップが置いてある事からもこの水を汲みに訪れる人がいるのだろうか。赤穂山隧道を中心とした旧道に民家は存在しておらず、この界隈の住民が利用しているとは考え辛く、また派生する林道や作業道なども存在しない為旧道としての存在意義は薄いと感じる。但し送電線は旧道沿いを通しているので保守管理の

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為だけに残しているのかも知れない。隧道を抜けるとセンターラインのある充分な幅員の2車線路が現れた事で旧道を最大限に生かす努力が見て取れた。交通量がお世辞にも多いとは言えないこの県道に、もしかして新トンネルの必要性はなかったのではないかと思える程旧道の規格は必要にして充分であり、結果赤穂山隧道を

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封鎖する理由はどこにも無く、今後も封鎖される可能性は限りなくゼロに近いだろう。当然新トンネルで何かあっても即迂回路として機能する事は言うまでもない。

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