ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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人夫坂隧道

 

人夫坂隧道の前説

この国道にある玄武山トンネルの完成が20009月だから玄武山隧道は旧隧道化してまだ日が浅く、道中にはおにぎりなど道路標識類も多数現存していていつでも迂回路として使用可能な状態だ。玄武山隧道事態には特徴が少なく期待外れに終わっている。

 

人夫坂隧道1

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ほとんど改良が済んだこの国道で最後に立ちはだかったのが県境の高低差と玄武山隧道だ。玄武山隧道には新トンネルを突き、県境は大胆な寧静ループにて難所を克服し、晴れて全線に渡るスムースな通行を可能にした。玄武山トンネルが見える位置から旧道は進路を左へと取る。旧道はセンターラインのある2車線で、新トンネルの必要性は全く感じられない。

人夫坂隧道2

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おにぎりも撤去されずにそのまま残っていた。人家が全くない山の斜面を蛇行し山頂目掛けて延びていく旧道が突然変貌したのは最初の大きなヘアピンを曲がった地点からだった。突然1.5車線と幅員は狭まり大型車と普通車の離合はもはや普通にこなせる状態にはなかった。それを見て初めて新トンネルの存在を強く意識した。すぐに次の大きなカーブを

人夫坂隧道3

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曲がるとそこにあっさりと玄武山隧道が姿を現した。結果的には狭い幅員にある大きなカーブは2箇所程で隧道手前には宮崎の巨樹百選のひとつサイカチがある。但し駐車スペースはない。玄武山隧道は普通車同士がギリギリガールズで大型車がやってきても退避場所がなくかなり不便を強いられた事は容易に想像が付く。玄武山隧道坑門は正直全く

人夫坂隧道4

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面白味に欠ける容姿でコンクリの味気ない造りは内部にまで至り特徴が無く平凡過ぎる。それに隧道である必要性があったのかどうか疑わしいのが隧道上部に何もない空間が広がっている事で、本来あるべき山がそこに存在しない事だ。以前は隧道上部に山があったのかも知れない、否あったはずだ。でないとこの造りでは説明が付かないのだ。

人夫坂隧道5

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現状から考えれば切り通しするのが最も安価で工期も短くて済むと思われるが、わざわざ掘削するとなれば今と違ってそれなりの歳月を費やしリスクも増大する事を考慮すればある程度の高さの鞍部が存在したと考える方が自然である。現道との分岐からトンネル頭上を見たら低い尾根が東西に延びており、現トンネルはかなり低い部分を突かれるも

人夫坂隧道6

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旧道は更に上昇を続け、稜線が下がってきた一番低い箇所に狙いを定めて通したはず。その頃は現状より数mの高さに鞍部があり、物理的に切り通しを断念したのか土地絡みの問題があったのかは定かでないが後年になって土砂が何等かの影響で流出し、今我々が見ている何とも浮いたような状態になってしまっているのではないだろうか?

人夫坂隧道7

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もしもあと数年旧道を拡幅工事などで現役続行させるとするならば明らかに玄武山隧道は撤去されていた事だろう。現代工法ならば一瞬にして消し去る事が可能だ。そうやって跡形もなく消された隧道は意外と少なくない。どうやら玄武山隧道は自身の危機的状況を察知しタイミングよく新道にバトンタッチしたようだ。

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