ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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山仮屋隧道

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山仮屋隧道の取扱説明書

日向灘から一歩入り込んだ山中の飫肥街道に国内でもトップレベルお宝隧道が存在した。山仮屋隧道は県内最古の道路隧道である事は勿論の事、県指定の有形文化財でもあるがオリジナリティに溢れる造りは間違いなく国内でも一級品の土木遺産である。

 

山仮屋隧道1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

巨大なオープンカットにて通される現道はセンターラインこそないものの完全な2車線路で、大型車同士の離合も楽にせる余裕ある幅員で、見通しのよい直線路だけあって一台の例外もなく皆豪快に駆け抜けて行き、ここで停まる者など皆無だ。周囲に人家がある訳でもなく人の温もりを感じさせるような物は何もなく、冷たく乾いたアスファルトとコンクリの塊だけが

山仮屋隧道2/ORR

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唯一の人工物で、あとはだた深い森に閉ざされた山奥で人気は全くない。オープンカットされた現道脇に旧道が細くもしっかりとした形跡を残し奥へと続いている。旧道は後年改修されたようでアスファルトがとても綺麗な状態を保っていた。旧道に誘われるがままに進むと、僕はそこに宝石のような輝きを放つお宝隧道を見た。これは凄い!パッと見宮崎を代表する

山仮屋隧道3/ORR

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隧道である事は勿論、全国の大物達にも全く引けを取らない即殿堂入りレベルの極上物件だ。坑門手前には申し訳なさ程度に石垣が築かれている。そこにどっしりと構える石組みの坑門は非常に珍しい形状をしている。笠石、扁額、リングアーチには要石を嵌めるという基本パーツで構成しつつ、門柱に該当する部分は無く、外枠にやや大きめの石を配し全体像を

山仮屋隧道4/ORR

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うまくまとめている。笠石と要石の間に扁額がピッタリ納まっているのは見事だ。し・かーも肉眼で文字が認識可能なのだから恐れ入る。坑門は右側全体に若干歪みが生じているが目立った損傷はない。内部へ入るとこれまたビックリのオールレンガ巻きだ。白化が進んでいるのが気になるが、レンガの細かい傷みはあるものの大きな損傷はないようだ。普通車同士が

山仮屋隧道5/ORR

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なんとか離合できる幅員で大型車は楽勝の高さを有し、明治隧道にしては必要にして充分な断面を持つ山仮屋隧道。こちら側の坑口は石垣を持たない為若干大きく見えるが両面共同型である。旧道には山仮屋隧道についての案内板が設置されている。それによると山仮屋隧道は県内最古の隧道であるとされている。竣工は明治25年とあるから軽く100年オーバーで

山仮屋隧道6/ORR

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これはラブイズオーバーのヒット以来鳴かず飛ばずの欧陽菲菲も100年オーバーで一発屋の汚名返上を狙う勢いではないか。いまだに国籍不明で多国籍軍のスパイ容疑がはれていないが、是非とも100年オーバー〜いにしえの山仮屋隧道〜で日本レコード大賞をかっさらってもらいたいと思う。案内板によると馬車や人力車を通す為に山仮屋隧道を造ったとされる。

山仮屋隧道7/ORR

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流石にケインの人力車でも直登は不可能な稜線の高さで隧道を突かねばならなかったのは頷ける。現在は豪快なオープンカットにて通されるも、ここは峠であった事がよく分かる。参勤交代で使われた旧飫肥街道とは別に明治の馬車道として開削された飫肥街道に現存する山仮屋隧道は他の石組み隧道と違って特殊な坑門を持ち、全国的に見ても大変貴重な物件と言える。

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