ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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岐阜富山県道34号利賀河合線(2)

★★★

 

岐阜富山県道34号利賀河合線の取扱説明書

今日ではどんな山奥の道でさえも舗装路が常識とされており、グレードの高い国道や県道において砂利道である事は非常識と言わざるを得ない状況になりつつある中で、そんな道を捜し求め好んで走る者は非酷民とさえ言える。そんな非酷民を代表する全国の不必要なアスファルトを片っ端から引っ剥がす全日本未舗装化計画推進委員会それでいいん会会長兼CEOの僕が待ったをかけずとも舗装化される事なく、昔ながらの様子を今に伝える大切な道がここにある。距離こそ短いが、そこに旨味が凝縮された現役の未舗装県道をとくとご覧あれ。

 

岐阜富山県道34号利賀河合線

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どれくらいの年輪を重ねるとこのような立派な巨樹に育つのだろう、峠は見事なブナに見守られ、これが未舗装路と実にマッチし、これ以上ない幻想的な雰囲気を醸し出している。視界のほとんど効かぬ濃霧は勘弁して欲しいが、薄っすらと靄がかかる程度であれば、何とも言えない神憑り的な一面を魅せる白木水無峠。境界線を越えない樽峠に対し、富山と岐阜の県境を跨ぐこの峠が

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名無しというのも妙な話であるが、念入りに調査すれば何か出てくるかも知れない。峠はヘキサを筆頭に標識、看板のオンパレードで人気は全く無いのに寂しさはいささかも感じられず、ブナの森と合わせてとても居心地がいい。ちょっとした駐車スペースがあるのみで、長居できるような場所ではないのが残念だが、なるべくこの地に留まりたいと思わせる不思議な力がこの峠にはある。

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そういえばこの峠にどこか懐かしさを感じる。そうだ、中山峠だ!(←どこのだよ?)あそこもブナの群生に覆われた山で、実に神秘的な様相を呈し、ハンモックで昼寝でもしようものなら、聖なる大自然の揺り篭に包まれ、至極のひとときを堪能できるに違いない。そんな極上の峠を惜しみつつ後にすると、そこには魅惑の未舗装路が待っている。これだよ、これ。山の斜面を

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削りローラーで踏み固めただけの至ってシンプルな造りの未舗装路。かつて日本中のどこにでも見られたこのような砂利道が、舗装化という大きな時代のうねりに呑み込まれ、次々と姿を消して行く中で、人も住まないような山奥にある当路線も決して例外ではなかった。初通過以後確実に延伸する真新しい舗装路に、その全てが覆い尽くされるのは時間の問題であった。もはや

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これまでか、ところが荒れ狂う舗装化の波が突如穏やかとなり、白木水無峠は暗雲の隙間からこぼれ射す光のカーテンに包まれ、邪悪な魔の手からかろうじて難を逃れた。それは峠を含むほんの僅かな区間でしかなかったが、未舗装路は何とか生き延びたのだ。そして今日でも昔ながらの状態を維持している。法面も人工物を用いない自然な工法で形成され、ガードレールもない中で

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県道を指し示すポールだけが一定間隔で配置され、それが唯一の人工物として一際目を引く。他に目障りなものなど一切無く、余裕の1.5車線幅のフラットな路面に誘導され、この路線に残された短くも唯一のダート区間を堪能しながら進む。しかしそれは花の命の如く短くあっけなく終わりを告げる。水無谷が県道とクロスする地点が、峠から続いた砂利道の終点である。水無谷は

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道路上を横断する川で、普段でも水量豊富、ひとたび雨が降れば鉄砲水で路面は土砂に覆い尽くされ、通行不能になる事も珍しくない。またこの先にも県道上を川が数箇所横断する場所があり、村道上百瀬水無線との合流付近までの舗装化は仕方のないとしても、峠までの区間は現状維持に努める事を願わずにはいられない。

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