ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)

★★★

 

丸立峠の取扱説明書

お隣の金八峠とよく比較される丸立峠であるが、それぞれ個性がある訳でこの二つの峠を比較検証した所で何の役にも立たない。よって僕も比較検証してみようと思う。

 

丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)1/ORR

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オホーツク海側から内陸部へ向けて縦のラインで伸びる2本の道がある。

一つは丸立峠越えの道道306号丸瀬布上渚滑線で、もう一つが金八峠越えの道道305号紋別丸瀬布線だ。

両者共に丸瀬布で合流する砂利道の峠越えであるが、金八峠の方が交通量が多い。

丸立峠越えの方が途中まで国道を利用できるのでそちらの方が便利のような気もするが少々距離が長くなる事が敬遠される理由か。

丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)2/ORR

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かつて金八峠を路線バスが走っていた事は、記録として残っている訳だが、丸立峠を路線バスが越えたという記録は見当たらない。

どちらも同じような1.5車線の砂利道で、ヘアピンカーブが連続する見通しの悪いコーナーが続く難所であるが、路線バスが金八峠を越えたという事実は後々にも大きく影響し、丸立峠にとっては不利な材料となっている。

丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)3/ORR

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両者の立場は近年金八峠直下にトンネルを通す工事が開始された事で決定的となり、丸立峠は金八峠に大きく水を開けられ、明暗がくっきりと分かれた。

どちらも同じような峠越えのミドルダートなのだが、交通量の少なさでは丸立峠が断然優位で、我々にとって走り易いのはもっぱらこちらの方で、踏み固められた路面は、オンロードバイクでも楽々通れる程だ。

但し僕は遠慮しとくがね

丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)4/ORR

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道中の視界は全くと言っていいほど開けない。両側をうっとおしい樹木に遮られたまま、いつの間にかサミットに達する。

実際に峠に立つ事で僕は実感した。丸立峠と金八峠の一番の相違は峠の形状にあるのだと。

金八峠は上り詰めるとすぐに下りへと転じる。そこに平坦な敷地は無いに等しい。対する丸立峠は峠のほとんどが平坦、それもかなり長い距離の直線となっているのだ。

丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)5/ORR

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峠らしいのは金八峠だが、使い勝手が良いのはむしろ丸立峠と言っても過言ではない。だが現実として路線バスは金八峠を越した。この状況に釈然としないのは僕だけではないだろう。

ところで道道306号線の起点となる上渚滑にはその昔、国鉄渚滑線が走っていて、廃線となる前は国道と国鉄が並走していた時期があった。

丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)6/ORR

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当然今よりも活気があったはずで、国鉄の上渚滑駅付近を起点とし、丸立峠を越え丸瀬布駅とを結ぶ道道306号丸瀬布上渚滑線に路線バスが走っても何等不思議ではなかったが、道道名称が国鉄の駅に起因していない事からも、当初から道道306号丸瀬布上渚滑線は、独立した本線のような扱いとされていた事が分かる。

というのも今でこそ道路が広範囲に整備され、陸上交通は道路優位となっているが、かつては鉄道優位という時代があった。

丸立峠(道道306号丸瀬布上渚滑線)7/ORR

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国鉄の駅を起点として道路が延び、鉄道ありきという考え方が一般的だった時代で、まだ車が庶民の乗り物ではない時代の話だ。

その後鉄道が次々と廃止され、駅舎さえも消滅の一途を辿る中、当時の名残で停車場線という呼称が今でも流通しているが、丸立峠はそれに頼らない独立路線として成立していた事は褒められていい。

トンネル化によって金八峠には大きく水を開けられたが、丸立峠は未舗装路のまま堂々と我が道を突き進んでもらいたいと思う。

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