ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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秋田県道279号稲庭関口線(8)

★★★

 

秋田県道279号稲庭関口線の取扱説明書

かねてからマークしていた道がある。それは路線番号で言えば県道278雄勝湯沢線という砂利道県道の次にあたる279号稲庭関口線という3桁県道である。市販の地図は大変罪深かった。一見寸断されているかのように見える箇所が、実は点線によって繋がっているのだ。それは獣道のような類ではなく、少なくとも登山道と同等レベルかそれ以上の規格を有する道によって繋がっている事を示唆していた。階段や岩登りのようなシーンさえ無ければ、攻略の可能性は充分と踏み、さっそく現地へと乗り込んだ。

 

秋田県道279号稲庭関口線8-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

T字路を右折しすぐに現れる二股、そこに架かる相反する2本の橋梁。そこにも案内板は何も無かったが、それが新設の山谷林道と県道との分岐である事はほぼ間違いなかった。それを確定させたのが、その後もしばらく並走する戸沢川の存在だ。そこは完璧なダート県道であった。二股を左へと進路を取った県道は、再び鬱蒼とした森の中へ身を隠す。しかしそれまでとは明らかに違った

秋田県道279号稲庭関口線8-2/ORR

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のは、一般車両も躊躇せずに通れるレベルの規格になっていた事だ。離合こそ叶わないが、大型車両も通行可能な極々一般的な砂利道がそこにはあった。その区間は地図上でも黄色く塗られた完全なる県道である。点線区間などではなく山谷林道との交差より先の区間はいつでも誰でもどなたでも通れる正規の県道なのだ。そこに砂利道が今でも手付かずのまま残されていた。

秋田県道279号稲庭関口線8-3/ORR

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なんと素晴らしい事だろう。一般的には通り抜け不能とされる県道279稲庭関口線。だがしかし市街地から山谷林道までの区間は、幅員もそれ相応の県道らしい立派な規格の道であった。地図上では分かり得なかった現存する数少ない通り抜け可能な貴重なダート県道という真実の姿を知り得ただけでも充分な収穫と言えまいか。勿論それだけに留まらず、我々は県道279

秋田県道279号稲庭関口線8-4/ORR

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全道程を走破し、その内容を余す事なく報告書に収める事ができたその意義は大きい。決して距離は長くなかったが、今後も舗装化される見込みは無さそうで、このような物件が全国に探せばまだまだあるという手応えを掴んだ。視界前方に建物が見えてきた所で砂利道は途切れ、路面はアスファルトへと切り変わった。人家が現れるのはそれからすぐの事である。やはり生活道路として

秋田県道279号稲庭関口線8-5/ORR

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機能している区間はしっかりと舗装されている。ただ最終集落より奥の上流部には人家や設備などは何も無く、またそこを舗装するだけの利用価値も無さそうに見えるので、しばらくはダートのまま安泰だろう。山谷峠と宇留院内峠に挟まれた県道279も名称こそ無いが、立派に峠を越えている。山谷、宇留院内の両峠に倣えば、市街地方面に向けて最初に現れる集落の名が付されて

秋田県道279号稲庭関口線8-6/ORR

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いる事から、戸沢峠という事になろう。当路線がいつ頃県道指定されたのかは定かでないが、今回の調査ではかつて自動車が通り抜けていた事が判明した。勿論それは一般車両を想定した規格では無かったと思われるが、車種によっては四輪でも通り抜けが可能な時代があったのは確かなのだ。今ではそれも叶いそうにないが、その名残として山谷林道と最終集落間のダートだけでも

秋田県道279号稲庭関口線8-7/ORR

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貴重な砂利道県道としては充分堪能する事ができる。山谷林道の舗装化が着手されたという知らせが舞い込み、ついでに県道も舗装化されてしまうというのではないかという一抹の不安はあるが、遠くの地から生暖かく見守るしかないだろう。尚、県道279は先に秋田のドンによっても詳細な報告がなされている。そちらも参照されたし。

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