ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)(6)

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荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)の取扱説明書

荒ヶ峠を越える県道280長門秋芳線は長らくの間未開通県道として細々と未整備の砂利道にて峠越えを果たしていた。藪漕ぎ必須の道程に、不通と見て引き返す者も後を絶たなかった。恐れを知らない特攻野郎だけに許された荒ヶ峠越えも、どうやら完全に息絶えたようだ。ORRさえも通さなくなった荒ヶ峠よ、このまま永遠の眠りにつくがいい。南無妙法蓮ゲイバー、チーン!新宿2丁目ゲイバー、チーン!マツゲイ紅白出場、チーン!合唱

 

荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)6-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

緩やかなカーブを描いてはいるが、緑の絨毯に導かれる切り通しは、広くもなく狭くもなく大型車1台を通すには幾分余裕のある幅員で、そこにレールの如し二条の筋が刻み込まれた姿は、僕の求める理想的な峠に近い形状をしていて、これに荒ヶ峠の歴史的背景が加わると尚良いのだが、県道に成り損ねた峠道に逸話らしい逸話など聞いた事がない。少なくとも切り通しの壁面はコンクリに

荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)6-2/ORR

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覆われ、石垣ではない事から古くから使われていた峠道という感じはしないし、峠の雰囲気からも歴史的な背景を持っているようには思えない。尤も自動車を通す道路として開通する以前から、人馬を通すような古道などの類は存在したかも知れないが、少なくとも自動車道としての興味深い歴史を持ち合わせているようには見えない。近くには500年の歴史を持つとされる名湯長門湯元があるが

荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)6-3/ORR

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荒ヶ峠を越した先に街がある訳でも無く、わざわざ荒ヶ峠を越えて行く可能性は限りなくゼロに等しく、関連性は無さそうだ。その昔は国道の大ヶ峠が荒ヶ峠と遜色の無いズタボロ道であり、今でも峠は酷道時代の惨状を色濃く残していて、往年は太平峠、荒ヶ峠、大ヶ峠、山中峠と国道だろうが県道だろうが林道だろうが皆大した差は無く、ドングリの背比べに過ぎなかった。そんな中大ヶ峠が

荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)6-4/ORR

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いち早く脱却し、長大隧道を突く事によって国道として格の違いを見せ付ける。ザクとは違うのだよザクとはと言わんばかりの勢いであったが、続いて県道も近年太平峠から大水峠へと路線変更し、峠直下にこちらも負けじと長大トンネルを突いた。残された山中峠も全線が県道指定され、係長クラスのポストに就く。各路線が時代の波に乗り、総じて出世コースを歩む中、ただ一路線時代の

荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)6-5/ORR

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流れに取り残され、出世コースに乗り遅れただけでなく、とうとう最後まで県道指定される事もなく、林道のまま峠より片面が廃道化という最悪の結末を迎える事となった荒ヶ峠。そんな悲しい峠道で唯一の救いが、荒ヶ峠隧道の存在だろう。荒ヶ峠にも復活のチャンスはあった。現状を見る限りそのチャンスを生かし切れなかった訳だが、荒ヶ峠は少なくともペーペーで終わった訳ではない。

荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)6-6/ORR

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その証拠に峠の前後にはしっかりとヘキサが設置されているのだ。峠道の途中にはヘキサを始めとする道路遺構はほとんど見られない。従ってこの峠道は一般林道と見られがちだし、書類上はそうかも知れない。ただ荒ヶ峠は最後の最後まで県道への昇格を夢見ていた。結果としては幻の未開通県道に終わってしまった訳だが、荒ヶ峠を中心とする他路線との接点には、どちら側も林道標柱

荒ヶ峠(山口県道280号長門秋芳線)6-7/ORR

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ではなく、県道の証であるヘキサが設置され、今でも県道指定されなかった無念を訴えかけているのだ。荒ヶ峠に自動車道としての歴史は無い、峠で抱いたその思いは間違いである事に気付いた。隧道開通と供に県道昇格という青写真を目前にして夢破れた荒ヶ峠。ORRでは当路線を正式な県道として扱う事で供養としたい。荒ヶ峠よforever

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