ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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大分県道715号木田神崎線(1)

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大分県道715号木田神崎線の取扱説明書

長らく有料道路として使われてきた臼杵坂ノ市道路が無料化に伴い県道に指定されたのはつい最近の事だ。それにより御所峠を越していた県道は旧道と化した。臼杵坂ノ市道路の出来があまりにも良い為、通行料をケチって峠越えする車両もほとんど無く、現役時代から交通量極少の県道であった。ただでさえ交通量の少ない県道から何やら枝分かれする妙な県道の存在に気付いたのは世紀末も押し迫った夏の夕暮れ時であった。そこで僕はトンデモナイモノを目にする事となる。地図上では点線扱いとされる県道の真実の姿をとくとご覧あれ。

 

大分県道715号木田神崎線1-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

日中でもほとんど陽の光が射さない鬱蒼とした森の中に、何だか物騒な看板が所狭しと並べられている。普通車同士の離合が余裕で行えるほど、たっぷりと広めに取られたヘアピンコーナーにそれはある。右奥には申し訳なさ程度にヘキサが写り込んでいるが、ここは極々一般的な県道。もっともつい最近旧道化してしまった御所峠を越す元県道であるのだが、旧道化した現在も

大分県道715号木田神崎線1-2/ORR

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ヘキサは撤去される事なく残されている。その御所峠へ通ずる県道に謎の県道が派生している事に気付いたのは二十世紀から夢の二十一世紀へ移ろうかという人類にとって夢と希望に満ち溢れた頃であった。あの頃は車が空を飛んでいるとか、会社や学校へ通勤通学するという概念は既に無く、子供達は自宅で通信教育、大人も在宅勤務、面倒な事は全てロボットがやってくれる、

大分県道715号木田神崎線1-3/ORR

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旅行は海外から宇宙へ、癌の特効薬が開発され死亡率が極端に減少するどころか、不老長寿の薬が開発され、一部の金持ち達は永遠に死なないとか、また石油や原子力に頼っていたエネルギー源が燃料電池や太陽光発電などの効率の良いエネルギーや自然エネルギーへと切り替わり、人類の繁栄と自然は共生するとか、とにかく近い将来世の中は劇的に変化するという風潮があり、

大分県道715号木田神崎線1-4/ORR

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マスコミもそれを煽った。しかし蓋を開けてみれば通勤電車は相変わらず地獄の鮨詰め状態であるし、車は空を飛ぶどころか相変わらず効率の悪いエンジンを搭載し、輸入される石油に頼り、排気ガスを撒き散らしながら、地べたを這い回っている。また渋滞とかいう決してあってはならない現象も全く改善されていないし、いまだに道路を切り拓き、舗装工事をする始末。もっと言えば

大分県道715号木田神崎線1-5/ORR

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お茶の間で水戸黄門やサザエさんを見ている二十一世紀ってどうなん?我々が子供の頃に散々聞かされていた夢の二十一世紀とは余りにもかけ離れた世界ではないのか。まあだれもが薄々気付いてはいたさ。自分達が生きている間に実現する話ではないだろうと。ただ一部の分野では劇的な変化が生じた。そのひとつに通信分野が挙げられる。遠く離れた場所に住むどこの誰かも

大分県道715号木田神崎線1-6/ORR

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知らない人同士が繋がりを持つという、かつて経験した事のない体験が今や常識となった。これと同じような現象はこれまでも無い事もなかった。友人の田中君が番号をかけ間違えた先の人と、何故か会話が弾みその後友達となったという事例が報告されているが、これはたまたまでイレギュラーだ。一部の世界では日進月歩に進化し続け、同時にそれらの恩恵に授かる事なく、

大分県道715号木田神崎線1-7/ORR

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これまでと然程変わらぬ既存の生活を続けるその他大勢の人々。今我々は混沌とした世界、いわゆるカオスの状態に身を置いている。未来なのに寂れた鉄工所、宮崎作品に登場するシーンは決して空想だけの世界ではないのかも知れない。それに近い世界がこの県道にはある。時代に置き去りにされた現役の県道の真実の姿が。

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